炎は消える事無く【鍾離】 ページ12
鍾離side
「先生！劉斗先生がおかしくなっちゃった！」
そう言って茶屋まで走ってきたのは、珍しく困惑した表情を浮かべている公子殿だった。
息を乱すなど珍しいな。それに…劉斗がおかしくなったとは…？
「どうした公子殿。劉斗ならいつも通りじゃないか」
「違うんだよ！戦ってたら突然攻撃が止んで、そしたら俺の事をすっごい笑顔で興味津々に甘やかしてきて！」
……は？
「本当なんだって！ほら、見てあれ！」
公子殿が己の後方を指差す。視線を彼から彼の背後へと向けた時、俺は…
『ん…？あぁ、鍾離！』
俺は、あまりの懐かしさに息が止まりそうだった。
「……フォルファクス……」
そうだ。あの笑顔は間違いない。もう見る事は無いと思っていた。
一瞬にして記憶が蘇る。数多の記憶の中に強く残り続ける、あの時の記憶が。
『久しいなモラクス。いや、この世では鍾離…と言ったか。っはは、何百年経っても変わらないなお前は』
フォルファクス。まだ"劉斗"と言う名前を持っていなかった頃の、彼の笑顔だ。
『あぁ、さっきの人間じゃないか！鍾離の友人だったのか？そうならそうと言ってくれ。いつも鍾離と仲良くしてくれてありがとう』
「うわあああぁっ！？どうしちゃったの先生！？いつもなら"寄るな・触るな・話しかけるな"の三拍子なのに！」
『人間相手にそんな事する筈無いだろう。えぇと…タルタリヤ殿、だったか』
「タルタリヤ殿！？俺の事"執行官殿"っていやーな感じで呼ぶ先生が名前呼び！？」
『っははは、元気だなぁ貴君は。うむ、やはり人間と話すのは実に心地良いものだ』
「フォルファクス」
彼の手を掴んだ俺は思わず立ち上がっていた。
『ん？』と俺を見る彼は、俺を視野に入れた途端頬を緩ませる。愛おしい者を見るように。
『どうしたモラク……鍾離』
「……本当に、お前なのか…？」
『あぁ、俺はお前の愛する人形そのものだ。だがお前の知る俺では無い』
彼はそっと俺の手をとり、包み込むように手を添える。真っすぐ見つめる赤い瞳には、嘗てのような博愛の光が宿っていた。
『俺は神代の頃の人格、フォルファクスとしての人格だ』
炎は消える事無く【鍾離】→←《リクエスト》誰のものか理解しているのか？-5-【リオセスリ】
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です！かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます！これからの活動もすっごく楽しみにしています！ (12月11日 13時) (
レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは！！天才ですね！！めっちゃうるっと来ましたよ〜！泣 はぁ！今日も頑張れそうです！更新ありがとうございます！これからも頑張ってください！！ずっと応援してます！あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます！もし何か分からないことあったら教えてください！ (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます！書かせて頂きます〜！ (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月3日 22時
