《リクエスト》誰のものか理解しているのか?-5-【リオセスリ】 ページ11
リオセスリside
ラヴィーネには"純心の水"と言う人の負の感情を吸い取る水が混じっている。
一時期魔法の飲み物だと流行った代物なんだが、今じゃすっかり危険物として認知されていてね。その危険性と中毒性から所持すら禁止される代物になっている。
ラヴィーネはその純心の水を作った学者の元に居た。
ラヴィーネは濁水精霊なだけあってあらゆる水に対する浄化作用が強い。その所為で色々と試作段階の水を飲まされたようでな。普段はあまりにも凶悪な囚人を宥める為にその力を使わせるんだが…言っただろ?この水の力は中毒性を伴うって。
「そんなに他人の負の感情を喰うのが好きか?」
睨んでやればラヴィは震えながらはくはくと口を動かす。口端から溢れる真っ黒な水を見るだけで、不快な気持ちがどんどん募っていった。
「そんなに好きなら俺の感情でも喰わせてやる。おかげさまで今俺は物凄く機嫌が悪いからな」
他人の感情に夢中になるのも、他人の感情で苦しむのも、他人の感情で心を乱すのも耐えられない。
真っ黒な瞳に混じるどす黒い紫色が、他人の悪意にラヴィが染められている事を示唆している。思わず舌打ちを零して髪を掴んだ手を離せば、『ご、ごめんなさ…っ』とラヴィが小さく声を漏らした。
「ラヴィ」
ビクッと震える彼が恐る恐る顔を上げる。ラヴィの前にしゃがんで口元の水を拭き取ってやってから、彼の腕を掴んでそっと俺の胸に押し当てる。
そのまま反対の手を彼の後頭部に回し、引き寄せながら食らいつくようにキスをした。
『ん゛んっ!?』
ぎゅっと胸元の服を掴まれる。じっと見つめながら舌を入れてキスをしていく。
ゆっくりと俺の中の怒りが引いていくにつれて、ラヴィの目に混じる紫が俺の瞳の色へと変わっていった。
「……」
『っはぁ!げほっ!けほっけほっ…!』
長いキスの後身を離せば、フッとラヴィが胸元から手を離す。
あれだけ渦巻いていた黒い感情は、今じゃすっかり消え去っていた。
「美味かったか?」
優しく声をかける。するとラヴィは突然俺の胸元に縋りついてきた。
『リ、リオッ、リオセスリッ、好き、あはっ、好き、スキッ、絶対離さないっ、大好き、俺のものっ、ラヴィーネは、俺の、俺のものっ、あははっ』
…あーぁ、壊れちまった。暫くしたら戻るだろうが、こんな快楽漬けの顔しちまって…。
「(そのまま俺の感情で狂っちまえばいいのにな)」
『恋人に嫉妬されたら』もにもち様、リクエストありがとうございました!
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です!かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます!これからの活動もすっごく楽しみにしています! (12月11日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは!!天才ですね!!めっちゃうるっと来ましたよ〜!泣 はぁ!今日も頑張れそうです!更新ありがとうございます!これからも頑張ってください!!ずっと応援してます!あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます!もし何か分からないことあったら教えてください! (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます!書かせて頂きます〜! (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年12月3日 22時