目的の場所まで走るぜィ ページ22
沖田side
冷たい金属の壁に真っ赤な血が飛び散る。通路に転がる死体を踏み越えて、俺と総鬼は目的の兵器格納庫まで走って行った。
「おい、次の道をどっちでィ」
『右だ。その後は左』
「了解…!」
頭の中に事前に詰め込んだ地図を頼りに通路を走っていく。その間、立ち塞がる敵は全て斬り殺していった。
刀を振り下ろす奴の懐に一気に入り込み、その刀が振り下ろされる前に胴を真っ二つに斬る。その後ろから飛び込んできた敵に、同じく俺の後ろから跳んで回し蹴りを放った総鬼の足が、俺の斬った奴の上半身を殴打した。
真っ二つになった上半身が後ろから来ていた敵と衝突し、そのまま壁にまとめてぶつかる。総鬼は着地すると同時に、床の鉄板を無理矢理引き剥がし、前方に投げ飛ばした。
水平に飛んだ鉄板はその直線状に居た奴らの身体をスライスし、血を纏いながら壁に突き刺さる。
「相変わらず怖ぇなテメーは」
『夜兎なんで』
何でもありだなァ、たくっ。刀抜くまでも無ぇってか。
苦笑してまた走り出す。通路を右に、左に曲がれば、下に続く階段を見つけ下りていった。
暗い部屋に出た俺達は、懐から小さなライトを取り出して部屋を照らす。
「…ビンゴだ」
そこには一列に並ぶでかいカプセルが陳列していた。培養液のような緑色の水の中には、白い刀が何本も入っていた。
『これが月光か…』
「他に部屋は?」
『今見てくる』
総鬼はそう言って奥へと進んでいく。俺は手前にあるカプセルの一つに近づき、その刀身を眺めた。
雪のように白い刀。柄には赤い梵字の刻まれた包帯みてぇな布が巻かれていて、何とも不気味な雰囲気を醸し出していた。
「(…そう言えば)」
昼間に会ったアイツも、右手に同じ包帯を巻いていた。まさか…
その時、部屋の奥が爆発した。
「っ!?」
立ち込める黒い煙が部屋に充満し、咄嗟に腕で口元を覆い奥を見る。すると、煙を突き破って奥から総鬼が走ってきた。
「総鬼っ、何があった!」
『浪士の一人が自爆しやがった…!おかげで海水浴びたっての…!!』
軽く火傷を負いながら総鬼はカプセルをぶった斬って俺の方に走ってくる。その後ろから、海水が音を立てて流れ込んできた。
『出るぞ!』
「分かってらァ!!」
手前のカプセルを破壊して、そのまま部屋を飛び出す。階段を上がり、上へと駆け込んだのも束の間、
船が、激しく揺れ始めた。
生き延びる為に走れ!→←些細な違いでも、切っ掛けになる事はある
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年6月15日 2時