疑ってても仕方無ェ ページ19
沖田side
部屋で一人、見廻りの時に会った男の事を思い浮かべる。あの赤い着物の、髪の長い男…。アイツは…
「俺…か?」
雰囲気も似てたし、何より俺と総鬼しか持たねぇ指輪をアイツが付けてた。くすんでたが間違い無ェ。あの指輪は、俺の指輪だ。じゃあ、やっぱアレは…
「未来の、俺…」
何であんな血塗れだったのか。それを聞く暇は無かった。それよりも、アイツの言った言葉が頭を支配していた。
"今から話す事は、嘘みてぇだが本当の事だ"
"任務中に、テメーは総鬼とはぐれる。助け出そうとしても、助けられねぇ状況に陥る筈だ"
"テメーはどうにかして、瓦礫をぶっ壊す手を考えな"
つまり、今日の夜に始まる討ち入りの最中に俺と総鬼は何かしらの理由で離れて、その障害になるのが瓦礫だって事か。だから瓦礫を除去する方法を探せ、と…
「嘘…かもしれねぇが」
本当の事なら大変だ。もし船内ではぐれたら、知らねぇ船の中で総鬼を探すのは苦労するだろう。だったら一か八か…賭けてみるしかねぇか。
俺は立ち上がって部屋を出る。そのまま武器庫の方に歩いて行った。
「あれ?隊長何してるんですか?」
武器庫でソイツの点検をしていれば、丁度山崎が武器庫に顔を出した。
「おう山崎。今日の討ち入りでコイツを使おうと思ってな」
「え、えっ!?それをですか!?」
「嗚呼」
ガシャリとソレを置いて頷けば、山崎は「止めた方がいいですよ!」と慌てた。
「船内で使用したら船が大破しますって!」
「問題無ぇだろィ」
「駄目ですよ!それに、副長や局長が許すとは思えません!」
コイツを使うにも、近藤さんや土方さんの許可が必要になる。でも…
「勝手に持って行く」
「そんな無茶な…!」
「テメーが黙ってりゃいいんだよ山崎。お前にコレ任せるからな」
「で、でも「それ持ってこなかったら、三枚に卸すから」分かりましたっ!!持って行けばいいんでしょう!?」
よし…コレでいい筈でィ。
討ち入りまで後少し。あの言葉が真実かどうか…確かめようじゃねぇか。
さ、始めやしょうか。俺達の仕事を→←何か様子おかしいぞ。大丈夫か?
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年6月15日 2時