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陸:屋敷の主 ページ7

虎杖side

暫く歩いていくと、目の前にそれはもう立派な日本家屋の大きな屋敷が現れた。
京都とかで見る枯山水っていうのかな、そんな感じの広い庭があるでっかい家なわけ!しかも桜の木まで植えてあんの!

「こっち」

呆気に取られていると、千鶴ちゃんが玄関の方に歩いていく。え待って、此処ってこの子の家なの!?

「(もしかしてこの子、凄ぇお金持ちの家の子とか……?)」

だとしたらコトリバコがあってもおかしくないかも…。金銭目的で呪殺とか普通にありそうだし…。
でもその割には千鶴ちゃんがピンピンしてんだよなぁ〜……?コトリバコって子供にも影響出るんだろ?だったらこんな元気に動ける訳無いだろうし……。

「おにーちゃんもいこー!」
「あ、おう!お邪魔しまぁーす……」

なんか……雰囲気やばいな……。


玄関に入った瞬間、外の華やかさは一転して薄暗く不気味な廊下が俺を出迎えた。
窓も沢山ある広い廊下なのに、どうも薄暗く感じる。その中を平然と二人が歩いていくもんだから、俺も自然とついていく形で冷たい廊下の先へと歩いて行った。

「こっちだよー!」

作太郎君が手を振って先に進んでいく。俺も返事を返しながらついていくと、千鶴ちゃんがとある襖の前で立ち止まっているのが見えた。

「此処」

千鶴ちゃんが俺を見る。そのまま襖を指差すと、「此処にあるよ」と繰り返すように呟いた。

「(特にやばい気配は無いけど……)」

もしあるなら、此処から先は俺一人の方が良いだろう。二人に何かしらの影響が出る可能性だってあるし。

「二人は下がっててくれ。俺が入る」

前に出て襖の取っ手に手をかける。少しだけ深呼吸をして、意を決して襖を開けた。


「……は…?」

襖の先に広がっていたのは、目を疑うような光景だった。
真っ赤だ。一面真っ赤な部屋。その部屋から放たれる異臭が、この赤色が血である事を物語っていた。

「っ!?」

体が一瞬固まる。その後ろで、子供の笑い声が聞こえた。


「引っかかった」


振り返った先に見えたのは歪んだ笑顔を浮かべる二人の子供の姿。
その笑みを見た瞬間、嫌な予感がした。

すぐに部屋を出ようと走り出す。が、走り出した瞬間にピシャリと襖が閉まって、襖がまるで腐ったかのように黒ずんで溶け消えてしまった。

どうなってんだ…!?あの二人はまさか呪霊……!?そんな気配まるで無かったのに!
くそ、とりあえず此処から出る方法を探さないと……


…あ、やば。

漆:息が詰まるような→←伍:二人の子供



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設定タグ:呪術廻戦 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月12日 16時

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