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弐:呪殺の箱 ページ3

伏黒side

コトリバコ、という物を知っているだろうか?
箱の中を雌の動物の血で満たし、赤子の死体の一部を入れて封をする。その箱を呪いたい相手に送りつける事で効果を発揮し、箱が送られた家系の女子供を呪殺するという危険な呪物だ。
"子取り箱"とも呼ばれる、家系を食い潰す呪物。どうやらこの人は、そんな危険な呪物の回収を俺達に任せたいらしい。

「コトリバコは中に封じられた犠牲の数だけ呪力を増幅させる。今回は一番犠牲の多い"ハッカイ"と呼ばれるコトリバコの回収だけど……まぁ呪術師である三人なら近づいても問題無いと思うんだよね」

先生はそう言って、少しだけ肩を竦めた。

「呪術師は万年人手不足。今日は特に都合が悪くてさ、本当はすぐにでも僕が出向きたいんだけど…伊地知がどうしてもって聞かなくて。という事で皆!死なない程度に頑張ってね〜」
「いやいやいや無理じゃない!?子供呪殺する箱の回収を子供に任せるって!」
「ダイジョブダイジョブ!三人共強いから!」
「何か凄く安心できないんだけど!?」

虎杖と五条先生のやり取りを聞き流しつつスマホを取り出す。
10時になりそうだな。呪物のありそうな場所は大体の検討がつくが……そろそろ移動しないと探す時間が無くなるだろうな。

「分かりました。俺達で回収します」
「おっ、恵はやる気満々だね!じゃ、後は任せたよ」
「あ、ちょっ、先生!?」

ヒラリと手を振って五条先生は駅の方に歩いていく。
溜息をつく釘崎を横に、俺はあの人を追いかけて行きそうな虎杖のフードを掴んで歩き出した。

「(それにしても…本来五条先生が担当する筈の呪物の呪力が微弱って、どういう事だ……?)」

特級クラスとは言え、微弱な呪力だから俺達に回したのか?いや、そんな軽率な理由であの人が任務を押し付ける筈は……。

「伏黒、虎杖死ぬわよ」
「…!悪ぃ」

すっかり虎杖を引きずっていた事を忘れていた。
手を離すと虎杖は数回その場で咳き込んだ。悪ぃ、軽く首絞まってたか?

「伏黒容赦無くねぇ…?」
「気の所為だろ。とりあえず手分けするぞ。場所はある程度目星を付けた」
「お、中々優秀じゃない。じゃあ私は廃工場の方に行くわ」
「じゃあ俺は住宅街探すよ!伏黒はマンション頼む!」
「あぁ」

廃マンションでも階はそれなりにあるだろう。気を引き締めて行かねぇとな。

参:異変を残す街→←壱:突然の招集



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設定タグ:呪術廻戦 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月12日 16時

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