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ありふれた世界で起こる残酷な出来事 ページ4

中島side

「お早う御座いま「遅いっ!今何時だと思っているっ!!」「どふぇあっ!?」ひぃいっ!?」

て、手帳が……っ、ドア開けた瞬間に手帳が飛んできた……!!然も綺麗に先を歩いていた太宰さんの眉間に命中……

「全く…っ、少しは予定通りに動けんのかっ!!」

パンパンと手を叩いて投げた手帳を拾い上げる国木田さんは、目を回して倒れる太宰さんを見て肩を落とした。
僕はビクビクと痙攣する太宰さんをソファに寝かせて、自分の机へと足を進める。

「お早う敦君」
「谷崎さん!お早う御座います!」

谷崎さんが「大変だったね」と苦笑しながら話しかけてきた。
太宰さんのジ殺癖は探偵社員全員が知っている。だからこそ連れ戻す機会の多い僕に少しだけ同情の目が向けられる事もあるんだ。

「いえっ、なんと云うかもう嫌な予感に従っただけで…!……僕が見つけてなかったら、更に流されていた…?」
「あ、あはは……、……かもしれないね…」
「寧ろ辺境の地まで流されてしまえ」

く、国木田さん辛辣だ……。太宰さんが一寸可哀想に思えてきた……。

「今日も山程やる事があるんだ、二人共早く仕事に戻れ」
「「は、はいっ!」」

いけない、このままじゃ僕も国木田さんに叱られる…!
自分の机に向かい合うように椅子に座ってパソコンを開く。と、液晶画面に表示される報道の記事の一文が映し出される。

〈またしても"蛇の眼"による犯行と…〉
〈中華街でひったくりが発生し…〉

何時ものように各地で起こった事件の記事が流れていく。流れる記事をぼんやりと眺めていると、とある記事の一文が目に留まった。

〈首無し死体発見、またしても切り裂き魔か〉

嗚呼、まただ。最近よくこの"切り裂き魔"の事件をよく見る。
通り魔なのか分からないけれど、路地裏や廃墟の中で首無し死体が見つかると云うその事件は、今ではこの横浜の街に恐怖の陰を落としていた。

「…早く捕まって欲しいものだな」

僕の後ろで記事を見つけたのか、国木田さんが腕を組んで小さく溜息をつく。その険しい顔から画面に視線を移しながら「そうですね…」と口にして、口を引き結んだ。

「(如何して、こんな酷い事が出来るんだ)」

どんな気持ちで命を奪っているのだろう?もし悦に浸る為だと云うなら、犯人は気が狂っているんじゃないかと思う。
明日の命すら保証出来ない日々を送った僕には、犯人の気持ちなんて一生理解出来ないだろう。

「(…少しでも早く、解決されると良いな……)」

笑顔の裏はどす黒い→←これが最初の出会いだった



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作品ジャンル:アニメ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年1月10日 1時

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