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あれほど乱れ合った後、必ず感じる彼女の戸惑いを、どう捉えたら良いのか未だに理解しかねていた。
何が彼女をそうさせているのか分かるようで分からない、いや、分かりたくないだけかもしれないが。
「落ち着いた？」
「うん、少し…、」
「そっか、ならええんやけど」
「早めに帰るね」
「そんな焦らんでもええのに」
「ううん、いいの」
終電まではまだ一時間と少し。
それまでに彼女の全てを確かめたくて、白く柔らかい肌にスルスルと指を這わせる。
この身体の何処に、何を、溜め込んでいるのだろう。
その全てを知る術はないけれど、少しでも助けになることが出来るなら。
そう思って始まったこの関係が正しいか正しくないかについては、もう気にすることなどなくなっていた。
「……ねぇ、ぎゅってして、」
「ん、」
「拓朗くんはあったかいね」
「冷たいのは嫌やろ」
「うん、冷たいのは部屋だけでいいかな」
「悪かったな、古いエアコンで」
窓に映る影はぴったりと重なっていて、このまま本当に溶け合ってしまえばいいのに、と少し本気で考える。
血縁がなんだというのか。
そんなものが縛る関係など高が知れているだろう。
背徳感など一度も持ったことは無いが、世間がそう言うのなら、このまま誰にも許されぬ関係で十分だ。
「これからも、ずっとこうして、抱き締めてくれる…？」
「Aが望むならずっとこうしとく」
「…そっか、……ありがとう」
「余計なこと心配すんなって」
飽きるまで側にいる。何時迄も。
それが今出来る俺の精一杯だった。
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キタ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。まさしくミッシェルの「世界の終わり」を意識していましたので、分かっていただけて嬉しいです。拙い文ばかりですが、また更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 (2019年10月29日 0時) (
レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - はじめまして。「終焉のエピローグ」を読んで､初めてコメント致しましたm(_ _)m。ミェルガンエレファントの「世界の終わり」のような世界でquizknockとミッシェルが好きな私にはたまりません(*^-^*)。これからも楽しみにしています(^-^) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 4daa7caae5 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - やまうみ。さん» コメントありがとうございます。前作からということで長い間ご贔屓にしていただけて有難い限りです。例の件はこういうジャンルではままあることですので、仕方ないですね。なるべく更新し続けていけたらと思いますので、今後もよろしくお願いします。 (2019年10月14日 2時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 初めまして、コメント失礼いたします。前作からずっと読ませていただいておりまして、どのお話も読みごたえがあり美しい文章にやられております。騒動があったなかで続けてくださる数少ない作者様の一人でいらっしゃるキタ様が憧れです、これからも応援してます！ (2019年10月13日 19時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - 佐野様>>コメントありがとうございます。良く見るお名前にびっくりしていますが、前作からお読み頂けていたなんて光栄です…！纏まりのない話ばかりですが、色々捻り出して更新してみたいと思います。佐野様の作品も楽しみにしています。 (2019年10月6日 22時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キタ | 作成日時：2019年9月26日 19時
