見えないものこそ重要でしょう？:kwmr ページ45
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暖かいアールグレイを口にした後、長い睫毛が緩やかに上下する。
「拓哉さんは、感情の起伏が無いですよね」
ゆっくりと話し出す彼女は、些か不満気な表情を浮かべていた。
「そうかなぁ」
「告白してくれたときもこうやって一緒にいるときも、落ち着いた拓哉さんしか見ていないような気がして、」
私はすぐ顔に出ちゃうのに、と口を尖らせた彼女の重みを右肩で受け止める。
「でも表情に出たものだけが全てじゃないでしょう？」
「一目見て分かるぐらい照れていたり驚いていたり、そういうのが見たいんです」
「それぐらい僕だってしてるじゃない」
「今まで全然見たことないんですってば」
「そうなの？」
確かに彼女についてはその言動を大体想像出来てしまうからか、サプライズも何もかも、驚くというよりは微笑ましく眺めていた節はある。
それも彼女の一挙手一投足を見ていたくて、どこまでも知りすぎてしまった結果なのだけれど。
「私、拓哉さんにもっとドキドキしてもらいたいんです」
「ドキドキねぇ…」
「いつも私ばかりドキドキして顔に出てて、なんか、拓哉さんだけずるい」
「いや、そんなことはないんだけど、」
話を遮るように肩の重みがふわっと消えたと思えば、すぐに腕を引かれて彼女と向き合う体勢に。
「いきますよ、」
「何が？」
「拓哉さん、好きです」
こちらの問い掛けには答えず、何故か愛だの恋だのと飛び出す言葉達。
ドキドキしてもらいたい、とは、そういうことか。
「愛しています」
指を絡め囁く。
「ずっとそばにいます」
縋るような上目遣いでこちらを見た。
「いつも冷静なところ、本当は大好きです」
繋いだ手に力が入る。
「小さくて綺麗な顔が羨ましい」
話しながら撫でられる頬。
「もっと、色々な拓哉さんを見たいです」
..
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キタ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。まさしくミッシェルの「世界の終わり」を意識していましたので、分かっていただけて嬉しいです。拙い文ばかりですが、また更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 (2019年10月29日 0時) (
レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - はじめまして。「終焉のエピローグ」を読んで､初めてコメント致しましたm(_ _)m。ミェルガンエレファントの「世界の終わり」のような世界でquizknockとミッシェルが好きな私にはたまりません(*^-^*)。これからも楽しみにしています(^-^) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 4daa7caae5 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - やまうみ。さん» コメントありがとうございます。前作からということで長い間ご贔屓にしていただけて有難い限りです。例の件はこういうジャンルではままあることですので、仕方ないですね。なるべく更新し続けていけたらと思いますので、今後もよろしくお願いします。 (2019年10月14日 2時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 初めまして、コメント失礼いたします。前作からずっと読ませていただいておりまして、どのお話も読みごたえがあり美しい文章にやられております。騒動があったなかで続けてくださる数少ない作者様の一人でいらっしゃるキタ様が憧れです、これからも応援してます！ (2019年10月13日 19時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - 佐野様>>コメントありがとうございます。良く見るお名前にびっくりしていますが、前作からお読み頂けていたなんて光栄です…！纏まりのない話ばかりですが、色々捻り出して更新してみたいと思います。佐野様の作品も楽しみにしています。 (2019年10月6日 22時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キタ | 作成日時：2019年9月26日 19時
