俺がお前の一番になる～kimishiba～ (ページ10)

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敦…なんか冷たかったな～
気のせいかなぁ…

ミサンガ。
せっかく作ったのに渡せなかった…
今日渡したかったけどしょうがない…
明日渡そう

敦にふられたAはとぼとぼと１人正門に向かう

１人で帰るの怖いし、なにより寂しいな～
なんて考えながら１人で正門の前でモジモジしていると
さっきの敦の冷たい態度が頭を巡り、色んな感情が波のように押し寄せた

ｸﾞｽﾝ……泣

だ、ダメだこんなところで泣いてたらサッカー部の誰かに見られちゃう

今にも溢れ出しそうな涙を必死にこらえる
もぉ帰ろう…

？「おい！てめぇ先帰ろうとしてんじゃねぇ！
　一緒に帰ろうと思ってダッシュで着替えたのに、
　居ないってどういうことだバカ！…ってお前…泣いて…」

勢いよく正門に走ってきた喜一だったが
Aの表情を見て言葉をつまらせる

「ｸﾞｽﾝ…ぎいぢぃぃぃ～～///涙」

タイミングよく現れた喜一の姿を見ると、ホッとして涙が溢れ出た
泣き顔を見られまいと思い喜一の胸に飛び込む

柴「お、おぃ…どうした」

そんなAの姿に驚きを隠せない喜一

「…わかんない…分かんないけど涙が勝手に…
　１人で帰るのいやだ…ｸﾞｽﾝ」
柴「な！そんなことで泣いてんのか」
「違う…違うけど…
　いっしょに…かえろぅよぉ…」
柴「わかった！分かったから泣くな！」

喜一は優しく抱きしめてくれて
頭を撫でてくれた

はぁ～なんか凄い落ち着く。
喜一の胸は想像以上に広く大きくて
Aの体なんてすっぽりと包み込まれてしまった

「喜一って…」
柴「あ？なんだ？」
「男の子だね。やっぱいい体してる」
柴「な、なんだよ急に///お前俺のことそんなイヤラシイ目でみてんのか！」
「…///」
そう言って私から勢いよく離れた喜一は、
目を細め体をさすりながらこっちを睨み付けてくる

んなわけないだろ、バカ。
否定するのもめんどくさくてスルーした

「はぁ～泣いたらスッキリした」
柴「急に泣くなバカ！俺が泣かしたみたいになるじゃねーか！」

案の定…
部員達がすれ違いざまに「大柴先輩、女泣かしてる～」
なんて口にするもんだから、私たちは逃げるように学校を後にした。

「ご、ごめんね？…ありがと喜一///」
柴「おぅ。もぉ１人で泣くな。泣く時は俺の胸で泣け！バカA」

そう言って照れくさそうに頭をかく喜一

喜一といると笑顔になれる。

いつも元気で楽観的だから…(笑)
自分の悩みなんて小さく思えてくるから不思議だ。

ありがとう。喜一。