俺がお前の一番になる～kimishiba～ (ページ23)

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帰りの電車

何も言わずに座席に腰掛ける喜一
結局Aの携帯のパスが分からず、良介との写真は消せなかった

「…喜一？」
ご機嫌を伺うように上目遣いで横にいる喜一を見るがまったく効果がない

「…なんか言ってよ」
柴「……」

ｲﾗｲﾗ…
「なんなの！別に彼女でもないんだから誰と写真撮ろうと勝手じゃん！ﾊﾞｶ喜一！」

あ…言ってしまった…
あまりにストレートに言い過ぎてｱﾜｱﾜしていると

柴「…お揃いだと思ってた…」
「え？」
柴「さっき控室で…」

やっと口を開いた喜一

お揃いだと思っていたミサンガ。
控室で着替えていると、君下の腕にも色違いのミサンガがついてたと言う。

・

控室にて

柴「てめぇ！何でそのミサンガしてんだ！」
君「あ"？関係ねぇだろ」
柴「なんだとてめぇ！外せ！何でてめぇとお揃いなんだよ気分わりぃ」
君「うっせ…お前のはついでだﾊﾞｶ」
柴「ｺﾛｽ～」

・

とまあそんな感じで一悶着あったらしい

柴「俺は…ついでか？」
「そ、そんなことない…」

珍しく凹んでる喜一に何と声をかければいいのやら…

柴「……」

沈黙が流れる

気まずすぎて電車を降りると「もうココでいい」そう言った。
が、喜一は止まることなくAの家の方に足を進める

そろそろAの家についてしまう…

「喜一！！！」

口を閉ざしたままの喜一だったが、大きな声にハッとしてこちらを振り返る

「ちゃんと…ちゃんと話すから///そんな暗い顔しないでよ！らしくないじゃん」

黙ったまま少し笑みを浮かべる喜一

「ここじゃアレだし、そこの公園にでも行く？」
柴「さむい疲れた。90分走りきってﾊｯﾄﾄﾘｯｸ決めたんだ。お前の家がいい」

…本当にすぐ調子にのる

「わかったよ！ちょっと待ってて///」
そう言って鞄に入れたはずの鍵を探すが…
………な、ない…どこを探してもどこにもない…

今日お母さん仕事で遅いし…鍵ない…野宿…寒空の下で…
想像しただけで涙が出る

青ざめたAの顔を見て喜一が口を開く

柴「ん？どした？顔色わりぃぞ？」
「鍵…ない…ｳﾙｳﾙ」
柴「え？どうすんだよ」
「わかんない…とりあえずお母さんには連絡したけど今日遅いし…」
柴「…あ、そうか。なら俺んち来いよ。部屋ならいっぱいあるしな」
「え…///その…ご両親とかも…？」
柴「あ？仕事でいねぇ。姉貴がいるんじゃねぇの」
「ホッ(安心)」
柴「な、なんだ今の！」

2人きりじゃないなら安心だし…
お言葉に甘えて喜一の家にお邪魔する事に。