俺がお前の一番になる～kimishiba～ (ページ13)

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勇気を振り絞って口を開く

「敦はさ…そのぉ…なんか一緒に居たいな～とか
　気になるな～とか思う人居ないの？」
君「あ"？なんだよそれ」

「だから！好きな人だよ！
　…今までそういう話したことなかったじゃん」

今までは怖くて聞けなかった
いつも敦が一番で、ずっと見てきた敦に
別な好きな人が居るなんて知ったら…
敦を失ったら…

そう思うと怖くて聞けなかった

でも今なら聞ける
いや、今聞かないといけない…
そんな気がしていた…前に進むために。

君「……」

沈黙が続く

君「俺は……」
「なに？」
君「…俺はこのチームで日本一になりてぇ
　それ以外のことに興味はねぇよ。
　俺はサッカーが一番だ。今までもこれからも」
「……。」

なにバカなこと聞いてるんだろ。

そうだ。敦の中ではサッカーが一番で…

今まで何よりもサッカーを優先してきた

みんなが夏休み遊んでいる時も
敦やサッカー部の皆はずっと練習していた

サッカーにかけてきた時間がちがう

「…そ、そうだよね。ずっと頑張ってきたもんね」

分かりきっていたはずの答えなのに、
はっきり言われるとやっぱりショックで…
そんな言葉しか、かけることが出来なかった

君「…お前は…居るのか？」
「え…？」
君「…喜一のこと好きなのか？」

胸が締め付けられる

「……バカ…」

何にもわかってない。

頭は良いし、ずっと一緒に居たのに
私の事何もわかってないじゃんか‼‼

「敦は何もわかってない‼‼私は…///」

君「…？？？」

「好きだバカ！バカ敦が好きなのにずっと見てきたのに！…なんでそんな事言うの…///」

自然と涙がこぼれる

君「…A」

敦は優しく抱きしめてくれた

君「…ごめん…ごめんA
　お前の側に居てやりたいけど、
　お前の事を幸せに出来るのは俺じゃねぇ」

君「俺はこのチームを勝たせてぇんだ」

またサッカーか。

サッカー、サッカー……

いつもそうだった。
でも、それが敦の選んだ道なら仕方ないよね

頭の中ではわかっていても口から出る言葉は逆だった

「いつもそうだよ、敦はサッカーサッカーって…
　もぉサッカーと結婚すればいいじゃんかー!!」

敦の腕を振り払うと、私は言いたいことだけ浴びせ店を飛び出した

何言ってるんだろ…
サッカー頑張ってねとか言いつつ
応援してないじゃん…

むしろ頑張ろうとする敦を
サッカーから遠ざけようとしてる

結局自分の欲求ばかり…
こんな自分が嫌いだ

自己嫌悪に陥るAだった

ごめんね…敦…