Day moon...【yuchun】第１章-Part１- (ページ7)

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第７話出会い。ページ7

彼の姿を見かけて気になり出してから
数ヵ月と月日が経ち

しばらく姿を見なくなったなと
心のどこかで思っていたら
最近また彼を見かけるようになった。

何かに悩んでいるように見えた彼が
なんとなく心配になってみたり

姿が見えないと
「悩みもなく元気に過ごせてるのかな？」
と、なんだかホッとしたり…

私達はお互いに名前も知らないのに
なんだか不思議な気持ちだった。

そして…その"彼"との出会いは
ある日突然訪れた。

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いつもこの曜日は休日だけど
急遽出勤しなくてはいけなくなって
憂鬱になりながら駅に向かっていた。

普段の出勤時間には混雑している電車も
今日はお昼過ぎだからか空いてそう。

私はのんびりと
コーヒーでも飲みながら行こうと
ホームにある自販機に向かいながら
お財布を開いていた。

―――― チャリーン

A「あっ(汗)」

手を滑らせてしまい
そこら中に小銭が転がる。

A「やだぁー…もう(汗)」

スカートなのを気にしながら屈んで
幾つも小銭を拾っていくと
ビーチサンダルの足元が視界に入った。

その男性は膝をついて屈みながら
小銭を拾ってくれている。

A「あ、すいません(汗)」

その男性は私の声に気にかけず
ただただ小銭を拾ってくれていた。

A「ありがとうございます(汗)」

―――― クシャッ

差し出された小銭を受け取ると
その男性と目が合い、ハッとした。

A「……」

「…あ…」

…あの男性だ…

どうやらあちらも私に気付いているのか
じっと私を見つめている。

だけど、私は何て声を掛けたらいいのか
わからないまま凝視してしまい

同じように彼も何かを言いたそうに
私を見つめていた。

A「……？」

吸い込まれるように
長い睫毛の瞳を見つめていたけれど
ハッとして途端に私は足元に目を向けた。

さっき聞こえた"クシャッ"っと言う音と
何かを踏んだような感覚の
原因が今わかった。

私の足元は、多分彼の物であろう
タバコの箱を踏み潰していた。

A「あぁー！汗すいません、私、タバコ…(汗)」

私がそう言うと
彼は私の足元に目を向ける。

私はへこんだ箱を元に戻しながら
急いでパッパッと手で埃を払った。

A「ほんとにもう(汗) ご迷惑ばかりかけてごめんなさい(汗)」

「ゃ、大丈夫っす(^^)汗」

…ぁ…意外と声、低いんだ…

初めて聞いた、彼の声だった。