第15話 久しぶり。 ページ15
ユチョンさんと最後に
コンビニで会ってから２週間が経った。
その間、公園で見かけることも
コンビニで会うこともなかった。
私と彼は連絡先も知らないし
友達ではないのかもしれないけれど
私の中で気持ちの変化が起きていた。
以前は公園にいる姿を見かけないと
"今何かに悩んでるわけではないんだ"と
少しホッとしたりしていた。
しかし今は…
A「……」
いつもこの公園の前を通るとき
いつも彼が座っているベンチに目がいく。
そこに彼がいないことを確認すると
無意識のうちに出てしまうため息。
A「…はぁ…」
…彼は今、どこで何をしてるんだろう。
あのお友達とは仲良くやってるのかな。
いつも何に悩んでいたのだろう。
お友達にも頼れないぐらい
深刻な悩みだったのかなぁ…
どんな仕事をしているのだろう。
それとも学生なのかな？
…どうして日本で暮らしているのだろう…
A「……」
私が彼について知っているのは
韓国人であることと
"パク・ユチョン"という名前。
もっといろんなことを聞けばよかったな…
公園から家までの距離を
そんな事を考えながら歩く。
A「ただいまー…」
今日も真っ暗な部屋。
あの人の姿を思い浮かべていた。
けれど、今はそれだけじゃない。
どうしても彼の事が頭から離れない。
どうしてなんだろう…
彼が、多分私より年下で
異国の地で悩んでいる姿を見かけて
力になってあげたいと…
母性本能が湧いたからかもしれない。
｜
｜
今日は１週間振りに
あの人が帰ってくる日。
いつものように夕飯を用意して
あの人が好きなお酒も買ってきた。
少し浮かれるような気持ちで
家事をしながら帰宅を待つ。
そしてベランダで洗濯物を
取り込んでいる時だった…
A「……あっ…」
私の家の近くを歩く後ろ姿…
それは暗くてよく見えなかったけれど
あのハーフパンツにサンダル姿。
久しぶりに見たユチョンさんの姿…
部屋の時計を見ると深夜１時になる頃。
A「……」
どうしたんだろう、ユチョンさん…
また公園に行くのかな…？
―――― ガチャッ
「ただいまー」
A「あっ、お帰りなさい！」
私は久しぶりにあの人に会える嬉しさで
随分久々にユチョンさんを見掛けた事も
すぐに忘れてしまっていた。
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natsu(プロフ) - ﾁｬﾐloveさん» Beginよりも短く終わる予定…ですが(笑)またお付き合いください＾＾ (2012年5月6日 23時) (携帯から) (
レス) id: d2dbf80673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年5月6日 1時
