Day moon...【yuchun】第１章-Part１- (ページ14)

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第14話蝋燭の炎。【YC Side】ページ14

【YC Side】

まさか会うなんて思ってなかったから
突然声を掛けられて驚いた。

彼女と対面して立ってみると
思ったより背が低くて
声が高くてかわいくて

何よりも俺はメイクのしてない
スッピンの彼女に目がいった。

「かわいい」と言われて照れる顔も
俺と一緒に笑う顔も
一瞬一瞬に目が離せなくなってる。

今だって、ほら…

「…なぁに？」

YC「ゃっ…」

隣に並んで歩く彼女を
無意識のうちに見つめてしまっていた。

俺はごまかすようにして
彼女のコンビニ袋の中を覗いた。

YC「……(笑)」

ビールやおつまみが幾つも…(笑)

お酒とか飲むのかな。
あまり飲めなそうなのに(笑)

１人で想像してにやついた顔を
隠すようにして鼻をすすると
彼女は急に立ち止まった。

YC「……？」

「ここで大丈夫です、もう近いから(^^)」

YC「ぁ、はい」

彼女が両手を前に出すから
俺もコンビニ袋を彼女に渡した。

「今日もここにいるんですか？」

YC「え？」

彼女の視線を追って振り返ると
俺達はもう公園の入口まで来ていた。

「たまにここにいるの、何回か見かけたことあります。」

YC「ぁー…今日は行かない(^^)笑」

「うん…寒いからね。」

YC「(^^)笑」

「あんまり長くいちゃダメですよ？１人になりたいときもあるだろうけど、つらいときは誰かに頼ることも大事です。」

YC「……」

「あ、あと！」

YC「……？」

「もう寒くなったからサンダルはやめた方がいいと思います(笑)」

YC「そっちこそ(笑)」

「…はい(笑)」

YC「(笑) ぁい(^^)笑」

「(^^)笑」

「じゃぁ、ありがとうございました」と
手を振って立ち去ろうとした彼女。

俺は「あっ！」と声をかけて
つい呼び止めてしまっていた。

YC「あのーっ…名前ー…」

彼女は「あっ」て顔をすると
俺の方に振り返る。

そして、「(人１)Aです」と言うと
礼儀正しくお辞儀をした。

だから俺も「パク・ユチョンです」と
名前を言うと真似してお辞儀をした。

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いつもスーツを着て背筋をピンッと張り
ヒールの音を響かせて出勤していく彼女。

そんな彼女のスッピンでサンダル姿、
コンビニでビールを買う意外な姿を見た。

YC「……」

この街でメンバー以外に
"知り合い"ができた。

仕事関係者でも何でもない、
普通に生活していくうえで
できた知り合い。

YC「……」

…俺の真っ暗だった胸の奥に
小さな小さな蝋燭炎が宿ったような…

…そんな気がした。