第１話 いつもの朝。【YC Side】 ページ1
【YC Side】
[]は韓国語↓
―――― ピーッ ピーッ
YC[……]
腕時計の無機質な電子音が
アラームの時刻を知らせる。
辺りは段々と明るく、白くなってきていて
早朝の肌寒い空気が澄んでいる。
すっかり冷たくなった缶コーヒーを
一口、口に含む。
そしてベンチに座る足の両膝に両肘をつき
項垂れるように首を下げ足元を見つめた。
YC[……]
足の指と指を擦り合わせるようにして
隙間に入り込んだ砂利を落とす。
…そろそろ寒くなってきたな。
去年は何月ぐらいまで履いてたっけ、
このビーチサンダル…
「いってきまーす！」
いよいよ季節外れになりそうな
このサンダルで
足元の砂をならしたりしてると
静かな、神聖…とも言えるような世界に
今日も朝から元気な声は響く。
俺は日課のようにその声の先を見つめた。
"カツ、カツ…"と
遠くから段々と近づいてくる
少し早足のヒールの足音。
YC[……]
俺がいる公園の前を
背中をぴんっと張り大股で歩いていく。
彼女はいつものスーツスタイル
今日はその上にトレンチコート。
コートの裾からちらりと見えた
膝上丈の白いスカート。
コートを着るぐらい寒いなら
パンツスーツに変えたらいいのに…
YC[……ふ(笑)]
俺はもう１度足元のサンダルを見て
「本当に季節外れになっちゃうな」と
少しだけ笑った。
いつも通る人は大体同じで
朝早く仕事に向かう彼女が１番。
その後は猫背の少し太ったおじさん。
スポーツバックを肩にかけて
自転車を漕いでいく男子学生。
缶コーヒーを片手に歩く
俺達の母親ぐらいの年齢の女性。
YC[……]
…お母さん…会いたいな…
俺はひとりぼっちの公園から
通勤通学していく街の人達を
眺めるのをやめ、立ち上がる。
サンダルのパタパタという
割と大きな音を響かせながら
ポケットのタバコを取り出し火を点けた。
と、同時にケータイが震えた。
待受画面には"YUNHO"。
YC[……]
…相変わらず早起きだな(笑)
俺はユノの電話には出ずに
俺達のマンションへ向かった。
その途中、公園を出てすぐの所で
白い花柄模様のハンカチが
道に落ちているのが目に入った。
"拾おうか"
"そのままにしようか"
そんな事を若干迷いながらも拾い
車や自転車に引かれなそうな
植木の近くにそっと置いた。
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natsu(プロフ) - ﾁｬﾐloveさん» Beginよりも短く終わる予定…ですが(笑)またお付き合いください＾＾ (2012年5月6日 23時) (携帯から) (
レス) id: d2dbf80673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年5月6日 1時
