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右目を刺す眩しさにふと目を覚ました。
一瞬、状況が分からなくて周りを見渡した。
水平線の向こうに太陽が登りはじめていた。
いつのまにか朝になっていたらしい。
テヒョンは岩肌に背中をつけてまだ寝息を立てていた。
腕が私の腰に回されていて、少し動いただけでは解けなかった。
あの後、2人して声を上げて泣いた。
あんなに泣いたのは記憶にある限り初めてだ。
私もテヒョンも碌に眠っていなかったから、泣き疲れて眠ってしまっていたようだった。
足が痺れて、体も凝り固まっている。
左半身がテヒョンにくっついていて、そこだけ温かい。
左ポケットのスマホが取り出せないから時間が分からなかった。
ソクジンさんにカトクは届いただろうか。
何とかそのままの姿勢でポケットをさぐろうとしたけれど、どうにもならなかった。
仕方なくテヒョンの肩を叩いた。
テヒョンが身じろぎする。うっすらと目があいた瞬間に体を抜いて、横に座った。
足を伸ばしながらスマホを確認する。思わずほっと息をついた。
ソクジンさんから返事がきていた。ソウル行きは回避できたようだった。
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kaya(プロフ) - megcokinoyama02さん» はじめまして。嬉しいお言葉ありがとうございます! 最後のシーンは特に難しかったのですが、どんな状況にも光を灯してくれるテヒョンさんの優しさ、愛らしさを少しでも描けていたのなら嬉しいです。 お読みいただきありがとうございました。 (2022年9月17日 23時) (レス) id: 21e8868223 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - Kojima-Yurinaさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません。お読みいただきありがとうございました!ゆっくりではございますが、別作品も書いていきますので、またお楽しみいただけましたら嬉しいです。 (2022年9月17日 23時) (レス) id: 21e8868223 (このIDを非表示/違反報告)
megcokinoyama02(プロフ) - 初めまして。夢中で読みました。すごく奥行きがあるお話で惹き込まれました。最後のシーンは景色や気温、シリアスな雰囲気とチグハグな格好のテヒョンを想像して愛おしくなりました。 (2022年9月17日 23時) (レス) @page41 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
Kojima-Yurina - 凄く感動するお話ですね 。゚(゚´Д`゚)゚。 これからも頑張って下さい‼︎٩( 'ω' )و応援しています‼︎ (2022年8月22日 15時) (レス) @page41 id: 3d3291bd67 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - ruru_chandayo00さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!更新がゆっくりで申し訳ありませんが、完結まで見守っていただけますと幸いです。 (2022年7月8日 18時) (レス) id: 11e4803e78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaya | 作成日時:2022年6月23日 19時