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テヒョンの視線が足元に落ちた。所在なさげにスニーカーの紐を弄り始める。
私が渡した手袋は毛糸製だから、テヒョンの大きな手でもなんとか包み込めていた。
でも、いつか施設のクリスマス会に女子全員がもらったそれは鮮やかな赤とピンクの縞々模様で、この場の雰囲気と酷くチグハグだった。

「……ずっと、ヌナに殺して欲しいと思ってたんです。母さんはやり損ねてしまったから。
ヌナがいつか俺に我慢ができなくなったら、今度こそ終わらせてくれるかなって思って、一緒にいたんです。
ヌナだけが、母さんと同じで俺のことを嫌いだったから」

「……それは、知らなかった」

衝撃的な告白だった。
私を選んだのは、私がお母様と同じだからとまではたどり着いていたが、まさかそんなことを願われていたとは。

「勝手でごめんなさい。
でも、最近は、あんまり考えないようになってたんです。
俺たち、もう11年も一緒にいるじゃないですか? 母さんよりもヌナと過ごした時間の方が多いんですよ。
ただ楽しく、一緒に過ごしていけたらいいなって思ってた。

だけど俺たち出会った時からどうしたって間違っているから、いつかは正さないといけないんです。
そうじゃないとこれ以上一緒にいられない。
ヌナだって分かってたでしょ。

そしたら、どんな結果になるとしても、母さんに会わないとって思いました。
はじまりは母さんだったから」

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設定タグ:防弾少年団 , BTS , テヒョン
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kaya(プロフ) - megcokinoyama02さん» はじめまして。嬉しいお言葉ありがとうございます! 最後のシーンは特に難しかったのですが、どんな状況にも光を灯してくれるテヒョンさんの優しさ、愛らしさを少しでも描けていたのなら嬉しいです。 お読みいただきありがとうございました。 (2022年9月17日 23時) (レス) id: 21e8868223 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - Kojima-Yurinaさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません。お読みいただきありがとうございました!ゆっくりではございますが、別作品も書いていきますので、またお楽しみいただけましたら嬉しいです。 (2022年9月17日 23時) (レス) id: 21e8868223 (このIDを非表示/違反報告)
megcokinoyama02(プロフ) - 初めまして。夢中で読みました。すごく奥行きがあるお話で惹き込まれました。最後のシーンは景色や気温、シリアスな雰囲気とチグハグな格好のテヒョンを想像して愛おしくなりました。 (2022年9月17日 23時) (レス) @page41 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
Kojima-Yurina - 凄く感動するお話ですね 。゚(゚´Д`゚)゚。 これからも頑張って下さい‼︎٩( 'ω' )و応援しています‼︎ (2022年8月22日 15時) (レス) @page41 id: 3d3291bd67 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - ruru_chandayo00さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!更新がゆっくりで申し訳ありませんが、完結まで見守っていただけますと幸いです。 (2022年7月8日 18時) (レス) id: 11e4803e78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kaya | 作成日時:2022年6月23日 19時

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