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「基本上からの命令とか特別なことがない限り、この空間から出入りはできないんだけど、厄介なことにヘチャンは空間を移動できる」
「すごいでしょう」
「僕チョンロはね、予知夢担当。正夢でも逆夢でも警告夢でも、未来を当ててたらそれ僕が作ったやつね」
「で、さっき銃をブッパしてたのがロンジュン。悪夢作ってる」
「悪夢…」
「そ、だから俺ロンジュン大好き！」
「俺はお前が嫌いだ、ヘチャン」
ロンジュンは憎々しげにヘチャンの手を払いのけた。
「ヘチャンはね、悪夢が大好物なの。趣味悪いよね」
チョンロが付け足す。
「よ、よろしく…」
頭を下げるとロンジュンはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「先に言っておくけど俺はお前が嫌いだ。馴れ合うつもりはねぇ」
愕然とした。初対面の人に嫌われるなんて初めてだ。
「お前のせいで仕事が増えて最悪だ」
よく見ると酷いクマがある。が。
「私のせい？」
もしかして、最近よく悪夢を見るからだろうか。でも私だって見たくて見てるわけじゃないし、ていうか私が毎日のように悪夢に苦しめられてるのもこの人のせいってことだし？？むっとしてるとチョンロが割って入った。
「まあまあ、その辺にして。この仏頂面がジェノね。白昼夢担当。」
「どうも」
黒髪の人が頭を下げる。こちらも慌ててお辞儀を返した。顔を上げると、目が合う。
「！」
ジェノの目はオッドアイだった。左は髪と同じ漆黒なのに、右目は赤い。
「あ、これ？」
ジェノは右目を指差すと、
「なんか、気づいたらこうなってた」
と言った。
そ、そんなことあるかな…突然変異とか、そういうのだろうか。
「僕たちもね、よくわかんないんだよね、会った時にはジェノはこうだったの。んで、これがチソン！僕の相棒！僕の補佐！僕の使用人！僕の下僕！」
チョンロは一番背の高い人と親しげに肩を組んだ。そのチソン、と呼ばれた人は微妙な顔をしている。
「…こんにちは」
「こ、こんにちは！」
「「……」」
「おい、お前、もうちょっとなんかあるだろ…ごめんね、A、チソンはちょっと緊張しいなんだ」
チョンロが気安く肩を叩いてもチソンはふいと顔を背けるだけだ。なんか温度差があるような…
「で、マークなんだけど…」
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作者名：あ | 作成日時：2023年11月19日 22時
