Daydreaming (ページ20)

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「とりあえず…これって夢ですか？」
夢であってくれ。私の切実な願いも虚しくチョンロは笑顔で
「夢じゃないよ」
と言い切った。落胆する。夢だったらいいのに。夢にしては凝った設定もやけにリアルな足元のふわふわとした感触も全部無視して、もう一度眠りにつきたかった。面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。
「あ、いやでも、Aが夢のほうがいいんだっていうなら、夢でいいんじゃないかな」
明らかに落ち込んだ私に焦ったのか、チョンロはわたわたと付け足した。
「え？」
「この空間には名前がないんだ。君の好きなように名前も定義も決めていいよ」
「？？」
「常識に縛られずに君の好きなようにしていいってこと」
にゅっとチョンロの後ろから顔が現れた。さっき話し合ってた3人組とは違う人だ。いつ、どこから現れたんだろう。柔らかな茶髪は毛先がところどころ跳ねている。
「俺はヘチャン。よろしく〜」
笑顔で握手を求められる。随分フレンドリーな人だ。
「おいお前、馴れ馴れしくすんな」
握手しようとするとぐいっと私たちの間に人が割って入った。さっき見た3人組の一人だ。さっきまでにこやかだったチョンロも、ヘチャンを睨んでいる。
「大体いつもここに入ってくんなって言ってるだろ」
「なあに？ロンジュン。もしかして嫉妬？いくら君のお願いでもそれはちょっとー」
「気色の悪いことを言うな！」
激昂するロンジュン。懐から黒光りの銃身を取り出し構えた…って銃？！
「こっち！」
チョンロに引っ張られて二人から離れる。バン、バンとファンシーな景色には似合わない物騒な銃声が轟いた。ひょいひょいとヘチャンは避け、ヘチャンがいたところの雲に穴が空いてゆく。
「おーいやめなよ、Aが怖がってるー」
チョンロが呼びかけるとロンジュンは舌打ちして銃を下ろした。

「じゃあ、改めて紹介するね！」
チョンロはにこにこと冒頭で話し合っていた3人組を指し示した。
「この3人と僕、マークがこの夢工場のメンバー。で、このヘチャンはバク。僕たちがせっかく作った夢を食べて、僕たちの仕事を邪魔してくる傍迷惑なやつ」
「夢工場？」
ロンジュンが訝しげに眉を上げる。ヘチャンは
「ちょっとお、除け者にしないでよぉ」
とぼやいていた。