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この現代に着物という、随分と古風な出立ちである。初詣の帰りとか？今日2日だけど。
「え、その、あなた、誰、てか、いつから…というかどっから入って…」
「恋愛のお守り、買ったやろ？」
「え、うん…もしかして」
「そう、そのもしかして」
にやりとして男の人は言う。
「俺こそが恋愛を司る神や。なんじの願い、叶えてしんぜよう」
「おおおお！」
すごい、すごいと手を叩くと、気を良くしたようで、
えへん、とふんぞりかえって、ユウタって呼んでな、と言った。
「…？本名ですか？」
てっきり神だからいかつい漢字がずらずらと並んでる名前だと思ってたんだけど。
「い、いや、現代風にした、名前。これから、呼んでもらうときに呼びやすいようにな。長い付き合いになるやろうから」
「へ？」
「それがな…」
「俺なあ、せっかくお守り買って貰ったんだから、君のそのモテモテになりたいって願い、叶えてやろかと思うてな、君についてったんや。そしたら、こんなええもんがあるやないか」
「この箱のことですか？てか、昨日からついてきてたんですか？！」
「おう。願い叶えたとこで、ばっと登場して、驚かせたろと思って」
「ええ…てかなぜ私の秘めたる願いを…まさか神様には全てお見通」
「お守り買うときに普通に自分でぶつぶつつぶやいとったで」
「え」
「それはさておき、ちょうどいいところにパンドラの箱がある、これは使いなさいという神様からのお告げやと思ってな」
「いや神様はあなたでは…ってパンドラの箱？この箱ですか」
「そや。むかーしむかし、この世界には人を惑わす大きな力を持った7つの魔物がおってな、そんで、その魔物が世界を滅ぼしかけた時に、なんか偉くてすごい力を持った陰陽師がなんとかこの箱に封印したんや。そんで世界滅亡は防がれ、世の中は平和になり、めでたしめでたし。もう2度と封印が解けることがないよう、箱は厳重に保管された」
「へえ…あれ？でもなんでそんな箱が我が家に？っていうか、今この箱開いてー」
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作者名：あ | 作成日時：2023年11月19日 22時
