Daydreaming (ページ15)

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モテるってこういうことじゃないっ！ページ15

※いろんなところが適当です

モテたい。
そう思うのは人間として当たり前のことだと思う。よほどの美形で、モテすぎて困ってますって言うのなら、別かもしれないけど。それか、もう愛し合ってる人がいるとか。悲しいことに、私にはいない。だから元日、新年特有の浮ついた気分の中、これであなたもモッテモテ！恋愛成就のお守り、というポップアップを目にし手を伸ばしてしまったのもしょうがない。不可抗力だ。人間、誰だって愛されたい。

「やっぱりあのお守り効かないなぁ」
期待はしていなかったけど。いや嘘。期待はしてた。めちゃくちゃしてた。正直空からイケメンが降ってくる想像をしてイケメンを落とさず受け止める練習をするくらいには期待してた。
空からイケメンは降って来ず、愛犬がイケメンになることもなかった。お守りを買った直後神社でイケメンに出会うこともない。
「まー新学期に期待かなぁ」
学校でモテモテとか、イケメンな転校生が来るとか、そういう可能性もある。うん、そう思いたい。
「それにしても倉庫の掃除、めんどくさいなぁ」
思考の彼方から現実へと戻ってきて、ため息。どうせ暇だろうと母から押し付けられたのだ。クソっ、子どもだから逆らえないと思って！
ごちゃごちゃと置いてある物を整理していくと、鮮やかなピンク色が現れた。綺麗な箱だ。くすんでるけど、金色の装飾が施されてて、宝箱みたい。
「なんだろう、この箱」
埃を払って、箱を開こうとするけど、かたい。なかなか開かない。
「ぐっ」
こうなると、やけになって、何がなんでもこじ開けて中身を見たくなる。新年早々地味な掃除にも飽き飽きしていたところだし。
指先に思いっきり力を込める。
と、
パン！
「開いた！」
さてさて中身は〜と覗き込もうとすると、箱の中からぱあっと閃光のような光が溢れ出た。
「うわっまぶし、目が、目が、」
目が焼けそう。ぎゅっと目を瞑ると、だんだん光は弱くなっていった。もういいかな、と目を開く。
「あれ、空じゃん」
焼き貝のようにパカっと口を開けた箱は空だった。なぁんだ、残念。でもさっきの光はなんだろう？
「そこのきみ」
「うわっ」
後ろから声がして、びっくりして振り向くと男の人がいた。