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その日から始まった紫耀くんと、紫耀くんの妹のサラちゃんとの共同生活。
暫く匿うという形で
2人を部屋に入れたのはいいけど
｢お父さん、学校に乗り込んできたりしないよね？｣
翌日の朝、寝起きが悪いのか
いつにも増して仏頂面の紫耀くんに恐る恐るそう聞いた私は
昨晩、冷静に状況整理をした上で
今のこの状況が更なる大きな問題を生んでしまうんじゃないかと、不安になって一睡も出来なかった。
｢それはないと思うよ。
あの人、世間体だけは気にしてるからね。
自分の子供が家出してるなんてバレたくないだろうし。｣
寝起きの掠れた声で、怠そうに髪をわしゃわしゃと掻くその仕草に、不覚にもドキッとする。
そういえば、紫耀くんのお父さんって
この辺りじゃ認知度の高い政治家だって、他の先生たちが話してるのを聞いたことがある。
｢それよりもさ、早く準備しないとやばいんじゃない？｣
｢えっあ、ほんとだ･･･もうこんな時間。
ていうか、平野くんも早く準備してちゃんと学校おいでよ？
サラちゃんは微熱あるから、ゆっくり寝てもらうね。｣
日頃の身体的なストレスのせいか
微熱が出てゆっくり休んでいるサラちゃんの寝顔は
流石 紫耀くんの妹。と称えたくなる程に愛らしくて。
こんなに可愛い女の子に、
手を上げることができる父親がいるなんて
本当に、信じられないし到底許すことが出来ない。
本来なら、警察に相談したり
専門的なサポートを受けたりする方がいいんじゃないかと
そんな提案もしてみたけれど
｢警察も、綺麗事ばっかの大人も
誰も俺らの事を助けてくれなかったよ。｣と、
冷たい目を伏せた紫耀くんを見て、
救いを求めて差し出した手は、自分を守ることしか考えてない大人達に振り払われてきたんだろうと思った。
現実って、私が思っていたよりも残酷なんだな。
なんの罪もない2人の兄弟が
心も体もボロボロに傷つけられてるっていうのに
大人の事情とやらに怖気付いて、見て見ぬふりするなんて
同じ大人として恥ずかしいと思う。
例え相手の人脈が広く、大きな権力を振りかざしてくるような人だったとしても
私は、私が思う正しさで
紫耀くんとサラちゃんを守り抜いてみせるんだ。
続く
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とまと(プロフ) - こよりさんの作品がどれもパスワードがかかってしまっていて、Xのアカウントも見つけられないのですが、もう活動自体をお辞めになられたんでしょうか？😭もう一度読みたいです、本当にどれも大好きな作品なんです😭 (5月7日 21時) (
レス) id: 85804d2c41 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - コメント失礼します😭ひよりさんのファーストピアスが大好きで、消されてしまったのが本当にショックだったんですけど、Xの方に載っているのに気づき、一気に読ませていただきました😭久々に読んだのですが本当に大好きな作品です😭 (5月7日 21時) (レス) id: 85804d2c41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2023年7月3日 19時
