You and me (ページ3)

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学校内でも、一際目立つ風貌で
本来なら、確実に人気者だったであろう彼は
いつも人を遠ざけるような態度をとり
ひとりでいる事を好んでいるようだった。

だけど、それも本当は上辺だけで。

｢あの、平野くん。
今日の放課後時間作ってくれないかな？｣

欠席日数が増え、進級できるか危うくなってきた紫耀くんに
今度は鼻で笑われないように、真っ直ぐに目を見つめて
彼の心に抱えている得体の知れない闇を暴こうと声をかけた。

｢･･････忙しいから無理。｣
｢少しだけでいいから。｣
｢用件は？｣
｢残ってくれたら伝えるね。｣

あからさまに私を見下しているその瞳に
負けじと引き下がらなかった私。

教師として、ひとりの大人として
まだ大人の一歩手前の彼をどうにかして守れないかと思った。

今思えば、それも自己満だったのかもしれない。

どんどん顔と体に傷を増やしていく紫耀くんを
見て見ぬふりする大人たちと一緒になりたくない。

そんなふうに思ったからって
私に何か出来るわけでもなかったんだ。

放課後、意外にも素直に教室に残ってくれていた紫耀くん。

｢あのね、平野くん。
このまま欠席日数が増えると進級が危うくなっちゃうんだけど･･･欠席が続く理由って何かあったりする？｣

窓際の一番後ろの席に座る紫耀くんは
無表情で、探り探りな私の顔を見つめている。

｢･･････あと何日休んだら留年になる？｣
｢え？･･････いや、それは答えれないけど。｣

だって、答えると
あと◯日休めるって考えになっちゃいそうなんだもん。

ていうか、そういうつもりで聞いてるんだろうし。

｢わざわざ放課後に残したのって、その話をする為？｣

まるで私を責め立てるような口調に
何故か胸がキュッとなる。

悔しいのか、悲しいのか、怖いのか
自分でもよく分からないけれど
もっとちゃんと向き合わないと、紫耀くんの心に私の言葉は届かない気がして。

｢じゃあ、単刀直入に聞くね。｣
｢･･････。｣
｢最近、欠席が増えて顔や体に傷を増やしていってるのはどうして？何か、危ないことに巻き込まれてるんじゃない？｣

その質問に、一瞬表情が強ばったのを私は見逃さなかった。