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あれから、平野さんは何度か店に足を運んでくれた。
忙しいはずなのに、ふらっと現れては
私に柔い笑みを向け、席に着き一時間ほど経てば
顔を真っ赤にさせて、タクシーで帰っていく。
そんな、平野さんと交わす会話は
なんの当たり障りもない日常会話なのに
平野さんのワードセンスが個性的すぎて、息もできないくらいに笑ったりもして、どんどん楽しい時間が重ねられていく。
有難いことに、平野さんがお店に来てくれた日は
とてもいい気分で帰れるから
ぐっすり眠りにつけるし、翌日の朝も心地がいい。
必然的に、優太を思い返すこともなくなってきて
私を苦しませていた未練も、もうすぐ断ち切れそう。
だけど、そんなタイミングで
再び優太が私の前に現れる。
出勤前の、お客さんとのご飯中。
隣の個室から聞き覚えのあるハスキーな声が聞こえてきて
もしかして。と思っていたら
その声に、相槌を打つ優太の声も聞こえてきて
一瞬、頭の中が真っ白になった。
｢ミオちゃん？｣
｢えっ、あ、ごめんなさい。｣
目の前のお客さんの話も耳に入ってこないし
脂の乗った良いお肉も焦がしちゃうし、
完全に、隣の個室に気を取られていた。
だけど、途中から隣から声が聞こえなくなったから
もう帰ったのかな。って
御手洗に立ったタイミングで、ちょうど隣の個室から出てきた平野さんの丸い瞳が、私の姿を捉えた。
｢Aさん！･･･じゃなくて、今はミオさん？｣
出勤時の、メイクを施してる私を見て
慌てて名前を呼び直した平野さんの背後には、
｢･･････A？｣
私の今の姿を見て、大きく目を見開く優太の姿があった。
やっぱり、私が頭に思い浮かべた通りの声の持ち主は
元彼の優太と、何の事情も知らない平野さんだった。
｢あれ、お2人はお知り合いなんですか？｣
キョトン顔の平野さんが、私と優太の顔を交互に見る。
冴えない表情の優太と、複雑な面持ちの私。
表情を見ただけでも、私達が良好の関係だとは伺えない。
そんな状況に、
｢あっ、御手洗ですよね？引き留めちゃってすいません。
タクシー待たせちゃってるんで、僕らはもう行きますね！｣
わざと明るくしたハスキーな声が、
私と優太の重なる視線を、やんわりと遮った。
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ひより(プロフ) - aさん» ありがとうございます(*^^*)話数が余りましたら、おまけとしてアップしますね♡ (2023年3月23日 21時) (
レス) @page8 id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - エンジェルキッス、素敵なお話すぎました（ ; ; ）また機会があれば続編も見てみたいです（ ; ; ） (2023年3月23日 13時) (レス) id: a51afee712 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ゆの（KP）さん» ありがとうございます(*^^*)ぜひ次回の更新時も読んで頂けると嬉しいです♡ (2023年3月23日 12時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - すんごく素敵でした、すんごくおもしろかったです、また読みに来させていただきます。 (2023年3月22日 16時) (レス) @page21 id: ebd16971c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2023年3月22日 0時
