５２：オオカミ。 ページ3
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｢今から、先輩に家まで送って貰うから。
もう切るね。｣
『･･･は？』
まだ何か言いたげな様子だったけど、
これ以上電話を続けていると また言い争いになりそうだったから
廉の言葉を待たずに電話を切った。
｢大丈夫だった？｣
｢はい、何かやたらとうるさくて。｣
｢そっか。俺のせいでごめんね？｣
電話を切ったあと、先輩の所へ戻れば
帰ろっかって頭にポンと手を置かれる。
｢先輩が謝る必要なんてこれっぽっちも無いですよ。｣
｢んーでも、やっぱり心配かけちゃったかなって。
だってAちゃんって隙だらけだし
俺が逆の立場だったらたぶん捜索届け出してたかも。｣
とか、意味わかんないこと言ってくる。
廉の話になると、先輩の話が壮大になるんだけど
それってなんで？
それに、
｢私って、隙だらけなんですか？｣
｢自覚ないの？笑｣
｢･･･ないです。｣
お邪魔しましたって、口にしたあと
エレベーターで一緒に下まで降りてまた駅まで歩く。
｢俺がもし、オオカミだったら
Aちゃんはもうとっくに食べられてたと思うよ。｣
意味深な笑みを浮かべながら、そう話す先輩に
何の話ですか？って、とぼけたフリをしたけど
本当は、良く考えればその言葉の意味は分かる。
私だって、エレベーターでふたりきりになった瞬間に
軽率な行動とっちゃったかも。って思ったよ。
でも、今まで廉以外の男の人と密室でふたりきりに
なることなんてあまり無かったから
そういう風に意識しちゃうって所まで頭が回んなかったんだ。
それに、先輩と一緒にいるとドキドキしたり
キュンってきたりそういう場面はあるけど
私が嫌がるようなことはしないって
それだけは確信できてたから
先輩がオオカミになるなんて、思えなかった。
｢今日は、俺に付き合ってくれてありがとね。｣
｢こちらこそ、お邪魔しました。
何だかんだで勉強も出来たしお願いごともできたし
今日も楽しかったです。｣
私の家の最寄り駅について、
改札を抜けようとした先輩の足を止める。
｢ここで大丈夫です。街頭多くて明るいし
この時間だと人通りも多いので。｣
これ以上、先輩の優しさに甘えるのも申し訳なくて
もはや馴染みとなった説得を、終えてその場で別れることに。
｢またね。｣
ふわっと笑って、私に手を振る。
その姿はやっぱり、私の胸をキュンとさせる。
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ノリコ(プロフ) - 続きを楽しみにしています！先輩にふらついてしまうのか、廉くんとしあわせになれるのか？どうなんだろー！ (9月3日 6時) (
レス) @page29 id: fa643b4161 (このIDを非表示/違反報告)
なな - はじめまして。夢で紫耀君に会えて幸せでした。廉君のセリフもリアルで感動です。続きを心待ちにしています！ (6月17日 6時) (レス) @page28 id: 7200219c9a (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - 初めまして！続きが気になります(＞人＜;) (2023年5月9日 22時) (レス) id: 46f1c8623a (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ななさん» 初めまして。キュンキュンしていただけて感無量ですm(_ _)mもう暫く続きそうですがよろしくお願い致します♪ (2023年3月3日 1時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
なな - はじめまして。素敵なお話に出会えて嬉しいです。続きが気になります。平野先輩にきゅんきゅんします。主人公ちゃんとハッピーエンドになってほしいです！ (2023年2月28日 8時) (レス) id: 4c6f01d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2023年1月10日 2時
