６３：贅沢な時間。 ページ14
.
なにその告白･･･っていや、その前に。
｢廉って私の事好きなの？
そんなわけないよね？
だって、廉が好きなのは･･････結衣でしょ？｣
取り乱す私に、平然とその場にいる廉が
私の言葉に深く溜息をついたあと
｢なんで俺が結衣のこと好きってことになってるん？｣
どうせお前の妄想やろ、とか言われても
今まで私が見てきた廉の姿は
確かに結衣に恋をしていたような気がするんだけど。
｢だって、私見たもん。
廉と結衣が仲良くなり始めた時
ものすっごく優しい顔して話してたし。
そんな顔、私には見せてくれなかったじゃん。｣
｢どんな顔か分からんけどさ、
結衣なら最初から俺の気持ち見抜いてたで。｣
｢え？｣
｢だって俺言われたもん、
Aのこと好きなんでしょって初っ端から。｣
｢何それ、そんなの聞いてない。｣
｢そりゃそうやろ。俺めっちゃ口止めしたもん。｣
ってことは、結衣は廉の気持ちを知ってたってこと？
廉が私を好きだって？
駄目だ、やっぱり信じらんない。
｢お前も俺のこと好きなんかなって思ってたけど
変な男に浮ついてるし、そらムカつくやろ。
だからちょっと、意地悪したくなったっていうかさ、｣
まあ、それに関してはごめん。と、ようやく謝られる。
｢別に、浮ついてたわけじゃ･･･｣
と、言いかけたけど、言い切れなかった。
だって、確かに私･･･先輩が他の女性と
歩いてるのを見ただけでショックを受けるくらいには
浮ついてたかもしれないから。
｢なに？自覚あんねやろ？
今ここで俺の事好きって言うんやったら許したるけど。｣
廉の顔がほんの少し、複雑そうに歪む。
廉ってそういう顔もするんだ･･･って、新しい発見。
確かに、最近は先輩と過ごす事の方が多くて
普通にキュンキュンしちゃってたし
このまま先輩と一緒にいたら好きになっちゃうかも。
なんて思ってた
だけど今、はっきり言えるのは
廉の瞳が、私だけを映すこの瞬間が
この世の何よりも特別に思えて
廉が私の言葉を待つこの時間が
どんな高級スイーツよりも贅沢に思えるんだ。
もう、言っていいの？
ずっと、廉の事が好きだったって。
言っちゃいけない。
ずっと言えやしない。
言わない方がいい。
そう思っていた気持ちを、今廉に伝えたら
嬉しそうに目を細めてくれる？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノリコ(プロフ) - 続きを楽しみにしています！先輩にふらついてしまうのか、廉くんとしあわせになれるのか？どうなんだろー！ (9月3日 6時) (
レス) @page29 id: fa643b4161 (このIDを非表示/違反報告)
なな - はじめまして。夢で紫耀君に会えて幸せでした。廉君のセリフもリアルで感動です。続きを心待ちにしています！ (6月17日 6時) (レス) @page28 id: 7200219c9a (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - 初めまして！続きが気になります(＞人＜;) (5月9日 22時) (レス) id: 46f1c8623a (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ななさん» 初めまして。キュンキュンしていただけて感無量ですm(_ _)mもう暫く続きそうですがよろしくお願い致します♪ (2023年3月3日 1時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
なな - はじめまして。素敵なお話に出会えて嬉しいです。続きが気になります。平野先輩にきゅんきゅんします。主人公ちゃんとハッピーエンドになってほしいです！ (2023年2月28日 8時) (レス) id: 4c6f01d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひより
| 作成日時：2023年1月10日 2時
