４５：意地悪。 ページ45
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先輩と私が同じ学年なんて、
ある意味ハッピーかも知れないけど
素直に喜べるわけじゃない。
｢私が先に卒業する可能性もあるかもしれないですよ？｣
｢うわ、酷いよAちゃん。｣
俺の事馬鹿にしてんでしょって、
拗ねた素振りを見せるけど
｢馬鹿にしてるとかじゃなくて、心配してるんです。
一緒に進級目指して頑張りましょうよ！｣
｢んー、でも俺、テスト範囲も分かんないし｣
頭をポリポリ掻きながらバツの悪そうな顔をしてる。
本当に勉強をするのが嫌なんだろうな。
けど、先輩には先輩でいて欲しいっていうか。
今は冗談っぽく笑ってるけど
先輩だって留年が決まっちゃったらきっと凹んじゃうに決まってる。
｢これ食べたら、一緒に勉強しましょ？｣
｢流れ星は？見ないの？｣
｢暗くなるまで、まだ時間はありますよ。｣
しょげてる先輩は可愛いけど
流れ星にお願い事する前に少しでもテストの点を取れるように勉強したほうが先輩の為になるような気がする。
｢じゃあ、Aちゃんが教えてくれる？｣
｢私、ひとつ下の学年ですよ？｣
｢うん。けど俺、教科書みてもわかんないんだもん。｣
｢授業サボってるからじゃないですか。｣
｢･･･Aちゃん、急に意地悪言うじゃん。｣
まるでお母さんに怒られた少年のように
丸くなっていじけ出す先輩。
｢だって、先輩のことが心配なんですもん。｣
素直にそう伝えると、顔を上げた先輩が
足を抱えていた腕を解いて私の頬に手を伸ばした。
｢･･･先輩？｣
｢肉まん。｣
｢えっ？｣
｢肉まんみたい。｣
｢はい？｣
急に、さっき食べた肉まんを言葉にしながら
私の頬をぷにぷにと触りだしたんだけど
これって、もしかして･･･
｢私のほっぺが肉まんみたいだって言ってます？｣
｢肉まんより、柔らかくて気持ちいけどね。｣
｢それ、全然フォローになってませんよ？｣
先輩の指がいつまでも私の頬に触れてるから
気恥ずかしくなってその手を掴む。
｢先輩の方が意地悪じゃないですか！｣
軽く睨みつけながら怒る私に
｢なんで？こんなに可愛がってるのに。｣
じっと私の目を見つめながら甘く微笑んで、
先輩の手を掴んでいたはずの私の手を
今度はぎゅっと覆うように握り返してきた。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか？(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (
レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え！好き！好きです！あのなんて言うんでしょう、…可愛い！！作品自体がなんかもう可愛い！夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…！（様付けキモくてすみません）応援してます！！ (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2022年6月4日 16時
