３３：特別な場所。 ページ33
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｢え？｣
先輩の言葉に、胸が詰まる。
口に含んだいちごオレの味もまるでしない。
｢リップ つけてきてくれてるじゃん。
俺、あんまり女の子のお化粧とか分かんないけど
今日のAちゃんはいつも以上に可愛いから。｣
だからもっと見てたいんだよね〜って
なんてことない顔で言う。
これも先輩特有の無意識な思わせぶりかな。
心臓はバクバクと反応しちゃうけど
それが顔に出ないように必死に平常心保ってる。
｢先輩って、とんでもなくモテますよね。
見かける時はいつもひとりですけど
もしかして女の子から逃げ回ってます？｣
｢まさか。普段から関わらないようにしてるだけだよ。｣
どこか遠くを見つめている横顔は
何処と無く寂しそうで。
｢どうしてですか？｣
｢んー、なんか俺いっつも面倒なことに
巻き込まれちゃうんだよね。｣
｢面倒なこと？｣
｢そう。中学の時なんかさ、知らないとこで
俺の彼女だって名乗ってた女の子が俺と仲良くしてた女の子を酷い目に遭わせちゃってさ。
それで俺が怒っても泣かれるだけで収拾つかなくて。
そういうのが繰り返される度に男友達も面倒事に巻き込まれるのが嫌で俺と関わるのを嫌がってさ。｣
｢･･･。｣
｢結局ひとりになるなら、最初からひとりでいようと思って。
だからね〜いつもひとりでサボる時は
静かに眠れそうな場所を選ぶんだよね。｣
｢それでここに辿り着いたんですか？｣
｢うん。まぁ今はひとりで静かに眠れる場所ってよりかは
Aちゃんと仲良く一緒にご飯を食べれる場所って感じで
一気に特別な場所になったけどね。｣
どこか遠くを見つめていた瞳が
メロンパンを頬張る私を捕らえる。
よりによって、このタイミングでこっち見る？？
｢はは、ほんとAちゃんって可愛いよね｣
油断して大口開けてた私に
ケラケラ笑い転げる先輩。
そんな先輩に頬が熱を帯びていくのがわかる。
｢あんまりからかわないでくださいよ。｣
｢ごめんごめん、からかってるつもりはないんだけど
つい面白くて。｣
大きな口を開けてる姿を先輩に見られたのは
恥ずかしかったけど
こんな風にお腹を抱えて笑ってくれるなら
多少恥ずかしい思いをしてもいいかなって、そう思った。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか？(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (
レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え！好き！好きです！あのなんて言うんでしょう、…可愛い！！作品自体がなんかもう可愛い！夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…！（様付けキモくてすみません）応援してます！！ (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2022年6月4日 16時
