２３：手に入れられない。 ページ23
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｢Aちゃん？｣
手にリップを持ったまま
いつまでも突っ立っている私の顔を心配そうに覗き込む
｢あ、ごめんなさいっ。
これ、買ってきますね。｣
大きな瞳と至近距離で目が合って
キョドりながらレジに向かおうとすれば
私の手からひょいっとリップを取り上げた先輩。
｢これ、試す用のやつだよ。新品はこっち。｣
｢あ、ほんとだ。｣
あはは、って先輩が笑う。
ちょっとテンパリすぎたみたい。
改めて新品をレジに持っていこうと
先輩が手に取ってくれたリップを受け取ろうとすれば
｢なんかさ、プレゼントしたい気分だから
俺が買ってきてもいい？｣
｢え？何でですか？｣
｢んーー。一緒に働き始めてくれた記念に？｣
今捻り出しました。みたいな理由に頷けるはずもなく
さっきも奢ってもらっちゃったし
流石にリップまで買ってもらえないよ。
｢先輩が選んでくれたってだけで私には十分すぎます。
なので自分で買わせてください。｣
そう言って先輩の手から、リップを奪おうとするけれど
器用にそれを交わした先輩がスタスタとレジまで行ってしまった。
｢先輩、お金っ･･･｣
レジでお会計してる先輩の後ろで
いつまでもうるさい私に
振り返った先輩が、しーって唇に指を当てる
いやいやいや、その顔が思わずかっこよすぎて黙り込んじゃったけども･･････。
こんなに良くしてもらってばかりじゃ
そろそろバチ当たらないかな？
｢あの、先輩･･･ありがとうございます。｣
｢どういたしまして。これ付けてもっと可愛くなってね。｣
店から出ると、優しい笑みと共に
袋に入ったリップを手渡してくれた先輩。
きっと何を言っても先輩は
お金を受け取ろうとしてくれないだろうから
ここは素直に有難く受け取ることにした。
もっと可愛くなってね。と、
クシャッと笑った先輩は私がどんなに努力しても
手に入れられない程の魅力を持ち合わせてる。
｢･･･でも、使えるかな。｣
そう、呟く私に ん？って先輩の不思議そうな顔。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか？(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (
レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え！好き！好きです！あのなんて言うんでしょう、…可愛い！！作品自体がなんかもう可愛い！夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…！（様付けキモくてすみません）応援してます！！ (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2022年6月4日 16時
