11:秘めてた想い。 ページ11
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「Aがそこまで格好いいって言うの珍しいね。」
制服に着替えてから、結衣と一緒に教室まで戻る。
少しぬるくなった保冷剤を額に当てながら
さっきの出来事を細かく結衣に話した。
「またドジしたん?」
後ろから、ひょいっと現れた廉に驚いて肩が上がる。
さっきまで運動してたはずなのに
髪は綺麗にセットされたまま。
ほんとそういうとこ、抜かりがない。
「・・・・・ちょっとボールが当たっただけ。」
保冷剤を当ててる額を見て
からかいたそうな顔されるから先に睨んでおく。
「Aってば、
保健室でとんでもないイケメンに会ったらしいよ」
そんな結衣の言葉に廉の眉がピクっと反応する。
「イケメンって俺以外に?」
「・・・・・残念ながら廉より断然 王子様って感じだったよ。」
「うーわ、胡散臭。」
「なに拗ねてんの?
言っとくけど廉の顔とか見飽きてるんだからね」
思っても無い言葉をぶつけながら
教室の中へとはいる。
少し苛立って返事してしまうのは
さっきの言葉がチラつくからかな。
“ただの”幼馴染。
そう言われても何も言い返せない関係だって事実が悲しかった。
傷ついても落ち込んでも、私たちの関係性は何一つ変わらない。
だからって、今更 ずっと秘めてた想いを
打ち明けるなんて無理だよ。
結果なんて分かりきってることだし。
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「その王子様とやらはどのクラスにおるん」
「2年生だからひとつ下の階じゃない?」
「は?俺らの先輩ってこと?」
「そうだよ。
っていうか何でそんなに王子様にライバル心抱いてるわけ?」
「一回顔みてみたいだけやん」
意味わかんないこと言いながら
不貞腐れた顔で私の隣を歩く廉。
ボールが当たったせいか、
キラキラ王子にポーっとしてしまったせいか
いつも以上に集中できなかった数学の授業は気づけば終わって
そのままバイトの面接へ行く結衣と途中で別れてから
廉と2人で帰ってる。
電車の中では無言だし、口を開いても
例の王子様の話で何故か勝手に不貞腐れてるし。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか?(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え!好き!好きです!あのなんて言うんでしょう、…可愛い!!作品自体がなんかもう可愛い!夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…!(様付けキモくてすみません)応援してます!! (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひより | 作成日時:2022年6月4日 16時