自信持てるかな［BTS］

☆*.。 ページ24

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残すは、キスシーンのみだ。
キスシーンってだけでも気が重いのに、涙を流さなきゃいけないから、また、たいへんだな。




ふぅ、
台本を見直し色々考えて集中……
役に入りきらなきゃ。

なのに





頭の中は



これで、ジンさんとも最後。
もう最後。

ジンさんと会うことも話すことも無くなる。
ただ一度ちょっと共演した事のある女優の一人になるわけだ。





そんなことばかりがぐるぐると頭と胸をごちゃごちゃに掻き混ぜていた。







そんな複雑な心境のまま撮影開始。



ジンさんからのキスの後、ポロリと嬉し涙を綺麗に流す。






…………






はずだった。
その予定だった。

のに。






ジンさんの顔が近づき、頬にジンさんの手のひらが、唇にジンさんの親指が、そしてその指の上にジンさんの唇が重なる。

私の唇とは触れることの無い唇。

ジンさんの親指になりたい。とすら思った。






この恋は実らない。
分かってる。
ただ人としてジンさんが好きなだけ。
キスがしたいわけじゃない。


思い込む、自分に言い聞かせる。
こんな気持ちのシーンじゃない。


嬉し涙だ、嬉し泣きなんだ。
喜ぶ時なのに。






ポロリ、ボロッ、ボロボロボロ……



綺麗になんていかない。
可愛くもなんともない。



ダラダラと涙が止めどなく流れ、しまいにはヒックヒックと子どもみたいに泣いてしまっていた。




悲しくて寂しくて終わりたくない気持ちが大きくて、ジンさんの事を好きになってしまったことが、どうしようもないこの気持ちが、苦しくて………







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