HALLOWEEN《短編》

●え！ ページ26

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『カボチャ、いつやんだ？』



「あ、忘れてた！汚れるとアレだしお風呂は後だね。」



やっぱりな。

ま、でも、そんなところも可愛くて嫌いじゃない。いや、もう可愛いなオイ。
これは、ランタンなんて作ってる場合じゃないかもしれない。俺の気持ちが早く言わなきゃ、早くAを自分のモノにしたいって焦り始める。


こんなに男と意識されていない俺だけど大丈夫だろうか。
実は自信はない。
こんなに長い間友達としてうまくやってきたのに、俺たちの居心地のいい関係が壊れないだろうか。

本当に告白する？
このままの関係でも良くないか？
もし、俺の気持ちを伝えたら、こうやってバカなこと言いあったり会ってさえくれなったりしないだろうか。


Aとの関係を進めたいと思う反面、怖くてたまらない。
でも、こんな状況になったら、やっぱりこれ以上を求めたくなるんだ。





不安がありつつも、気持ちは盛り上がってしょうがない俺は、いつも以上に衝動で動いてしまった・・・





『Aっ！』


後ろからAに抱きついてしまった。


「ぅうわっ！！・・・・や、だ」


テーブルにのせたカボチャをゴロン、と床に落として固まったA、

まずい、やっっぱり嫌がられた！？




「や、だ。」



ドキドキドキ・・・・・ヤバイ、嫌われてしまった！？



「ナムジュンティッシュ！あ、やっぱタオルかも。」

『え？何？』






振り向いたAは涙目で


「切っちゃった。」





指から、血が滴っていた・・・・

結構な量の、血だった。







『わっ、大丈夫か！A！』


指、血、あぁ、どうしよう、わ、お、え、っと・・・





慌てる俺を見るとクスッと笑って、テーブルの下にあったティシュをささっさと取って指に当てた。




『あれ？大丈夫・・・？え？偽物、とか？』

もしかして、ドッキリか何か？血のりとか？ハロウィン用に準備していたのか？





「バカっ、本当に切っちゃったんだよ！」





『うそ、あわわわ・・・ごめんっ、ごめ、わ、大丈夫か！？俺のせい？だよな、ごめん本当にごめん！！』



どうしたらいいのか分からないのと申し訳ないのとで慌ててるだけで何にもできない俺は、あたふたしながらとにかくたくさんのティッシュを取ってAに渡そうとオロオロするだけだった。








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