HALLOWEEN《短編》

●ランタン ページ23

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「見て〜これが友達のお教室の生徒さんが作ったランタンだって！凄くない？私もやってみたくなったの。このお化けとか魔女とか、良くない？」




見せられた写真にほっとする。良かった、知ってる、見たことある女友達だった。

なんのお教室の先生してるんだっけ？忘れたけどま、いいや。これに触発されったってわけね。なんでもやりたがるんだもんな、Aは、ま、そこもいいんだけど。



熱くなりやすい、けど冷めるのも早いんだよなぁ、飽きっぽいからそこが心配なんだよね、もし彼氏になって飽きられちゃったら？すぐに他に乗り換えられたら？って思っちゃうとなぁ。


一応、歴代彼氏見てきたからなぁ・・・



何年も一番近くにいて、一番の友達だと思っているけど、なぜか一線を越えられなくて、グズグズしてるともう、本当にやばいかもしれない。この歳になると結婚する友達だってちらほら出てきたし。
そろそろ、本気で友達の域を越えなくては！



『俺もやる！その、カボチャ。すっっごい怖いやつ作るわ。』



細かくて難しくて時間かかるやつ作るわ。で、Aんちから出ないで、週末はずっと居座ってやる。俺のことを男だと意識してもらえるように、仕掛けてみたり……あわよくば、だ。あわよくば……



「ナムジュンこういうの得意だっけ？別に付き合ってくれなくてもいいけど〜？重たいからお願いしただけだし〜？」



ひひひって笑うAだって、芸術的センスあったけ？不器用じゃなかった？




『Aこそ、こんなすっごいヤツ作れんの？美術の成績やばくなかった？不器用だし。怪我すんなよ！？』



「そんなに不器用じゃないですから！美術の先生には嫌われてただけだし！だから成績は悪かったの！絵とか描くのは……好き。描くのは、そう好きだよ、得意かどうかはさておき、好きだから！」




そんなに好き好き言うんじゃないって！
ただの好きの言葉にも意識しすぎて、顔が熱くなってしまう。



二人きりで歩く夜道。
二人きりでAの部屋で？これから。
って時にその言葉を意識しないでいることなんてできなかった。





10月の肌寒い夜道が、俺には少しだけ暑くて、心地良かった。







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