夜ー23ー ページ30
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「お とうさん… う、おとうさん!」
さらにたくさんの涙を流し、まるで小さな子どものように泣きじゃくる私を、ポンポンと撫でて
『たくさん泣いて、今まで溜めていた物をだして、ね。これからは、また前のAちゃんになるんだよ。私はいつでもAちゃんの幸せを願ってるからね。』
本当のお父さんのように、娘のように優しくしてくれる。
「はい。ありがとうございます。頑張ります。
私、シンくんにお線香をあげに行きたい。
行かなきゃ。」
『実は、そのお願いに来たんだ。』
もうすぐ、あれから2年…かな
シンが亡くなってから数ヶ月間は私の記憶が無くて、何をして何を考えていたのか。
その後
1年以上は、写真も見ていない、お線香もあげられない。おとうさんにも会えなかった。
やっと、少しの心の整理ができた今、ちゃんと写真も見られるだろうし
現実を受け止められそう。ちゃんとお線香をあげたい。
シンに今の私を報告しよう。
『実は、引っ越すことになって…海外に行ってしまうんだ。』
「え!?」
父子家庭で一人っ子だったシン。おとうさんはひとりで大丈夫なんだろうか…
『仕事の関係で知り合った女性がいて、その人と一緒に。なんだけどね。親戚もいる国だから…』
少しだけ照れたおとうさん。その報告もあったのね。やっぱり本当の娘のように嬉しくなった。
「おめでとうございます。で、いいんでしょうか?いいんですよね。」
『うん、ありがとう。私には仕事と、その人が癒しだから。Aちゃんに負けないくらい幸せになるよ。』
その、照れた笑顔。
すごくシンに似ている。可愛い笑顔。
私、シンをちゃんと素敵な想い出に出来そう。
こんな気持ちで、おとうさんを見る事が出来るようになったんだから。
もう、きっと……大丈夫。
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xxl(プロフ) - メロンさん» あと、私の作品をお読みいただいたとしたら分かっていただけるかと思いますが、ほぼ自分の思いつきでの書き始めで、更新は時間のある時に。というマイペースでさせてもらっています。申し訳ないですが、書ける時に書くと思います。その時は是非よろしくお願いします。 (2018年2月22日 16時) (レス) id: 2c1734d351 (このIDを非表示/違反報告)
xxl(プロフ) - メロンさん» わざわざお返事ありがとうございます。いつか書けるように頑張りますねー!! (2018年2月13日 13時) (レス) id: 2c1734d351 (このIDを非表示/違反報告)
xxl(プロフ) - alexandrite_bbcさん» いつもありがとう〜!人それぞれ捉え方も違うだろうけど…希望は持って欲しい。という一意見だと思ってね。何でもない毎日が幸せだと、思える…そして歳を感じる!(´-`).。oO (2018年2月13日 13時) (レス) id: 2c1734d351 (このIDを非表示/違反報告)
xxl(プロフ) - メロンさん» 提案、コメントありがとうございます!ただ、ポンポンと書けるタイプではなくて、いつか妄想力が働いてくれて、書ける時が来たらその時は是非よろしくお願いしますね♪ゆっくりと期待せずにお待ち頂けたらなと、思います。(;´∀`) (2018年2月13日 13時) (レス) id: 2c1734d351 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 心にしみるお話でした。じっくり読み返すね!そんでまた、思ったことここに書くね!(*^ω^*) (2018年2月13日 11時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:xxl | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=daxlsw
作成日時:2018年1月16日 17時