アカツキ

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教室の前の廊下を行ったり来たりしているのが見えた。



日誌は書いててくれたかな。



｢大毅｣


『おお、どやった？なんかされた？大丈夫か？』


｢質問多いて笑 何もされてへんから。日誌は？｣


『あ、書いた書いた！Aの字真似たで』



へったくそな字が踊っている。
どこがあたしの字やねん。



一応書いてくれたことには変わりないから何もつっこまず、パタンと閉じて教卓の上に出しておく。
そのまま教卓にもたれて、携帯を開いた。



｢…今日月赤くなるんやって。なんか怖、笑｣



ニュースの見出し。
アカツキ、か。
まんまかよ笑



『それの神話知っとる？』


｢神話？｣


『…うん、赤い神話』


｢知らん。どんなん？｣



腕組みをして何かを考える素振りを見せた大毅に詰め寄る。



｢教えてや、けち｣



んふ、と軽く笑ってデコピンされた。



｢いた…｣


『知りたいんやったら、今日の夜空けといて』



迎えに行くわ、って。
また何するかも教えてくれへん。



けどなぜか前とは違いワクワクしていた。
今日も、1人じゃない。
孤独に過ごさなくて済むんやって。



『とりあえず帰るか』


｢たい焼き｣


『またぁー？しゃーないな』



やった。たい焼きゲット。

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