【浦島坂田船】学生の浦島坂田船が転生して異能力げっちゅーしてヨコハマで暴れる話【文スト】

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それから2年間くらい、
太宰くんと接して、過ごした。


3年目から彼は、

地下から姿を消した。


もう、大丈夫なんだね。
地上に出たのかな。

私に与えた包帯だけを残して、
いなくなってしまった。
何も言わずに唐突に。

そんなの彼の人生なんだから当たり前だけど


「さみ、しいな……。」


私はまた一人なんだね。




それから私は地上に戻って、生活を続けた。

そうそう、最近、ニコニコ動画を発見した。
正確には違うのかもしれないけど
私にとってはニコニコ動画だ。

此方でもあるんだ、
と感心しながら音楽を聞いて通勤する。

家を出て、徒歩15分ほどの
アンティークな、こじんまりとしたカフェ。
人気のない、所謂穴場と云うやつだ。

店長は優しい雰囲気のおじさん。
名を倉田さんという。
めちゃくちゃ珈琲淹れるのお上手。

そして年下のイケメンな持てそうな男の子。
この人は22歳らしいのだが私より先にいたので一応先輩。
でもため口。
名前は、杉本くんと言う。


あ、今私24です、早いね。もうおばさんだね。
かれこれ4年もこの世界にいることになる。

『CLOSED』と洒落たかけ札に書かれている扉を開くと
カランコロンと音がする。

コーヒーの匂いが充満した店内に入って
スゥッと深呼吸をする。

すると、カウンターからひょっこり店長が現れた。
吃驚した。切実に。

「おはようAちゃん。」

「おはようございます店長。」

私は急いでSTAFONLYの部屋に入って
制服に着替える。

するとちょうど杉本くんがやって来た。

「あ、Aさん、おはよう。」

「おはよう杉本くん。」


これが私の朝。


・


「いらっしゃいませー！

あ、こんにちは。」

「あ、Aちゃんじゃないか
久しぶりだねー。」


お客さんがやって来た。
この、能天気な喋り方は、あの人しかいない。

「乱歩さん、いらっしゃいませ。
あら、今日はお連れ様ですか？」


ここの常連、と言うか古株。
しょっちゅうは来ないけど
たまにいらっしゃるから顔見知りだ。

江戸川乱歩さん。あのコナン君の人。
日本の有名な文豪だ。
なぜか知らないけど此方の人、文豪の名前ばかり。

ついこの間、2週間前も来た。
その時は一人だったけど。

「そうそう！僕のとこの社長だよ。

ね、社長。僕顔が知れてるでしょ！」

「お初にお目にかかる。
私は福沢諭吉と申す。」


なんと、みんな大好き諭吉様でした。

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