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父がいて、母がいて、私が生まれてきた。
二人の溢れるばかりの愛を沢山貰って
育てられた。
元々母は体が弱くて、私を産んだことで
かなり衰弱したけれど、
だんだんと元気になっていった。
私が6歳、丁度小学校にあがる頃
母が新しい命を身籠った。
日に日に大きくなっていく母のお腹を見ながら
お姉ちゃんと言われることに、
少し好奇心を抱いていた。
男の子だと言われた。
弟、沢山可愛がって、父と母といい子に育てよう。
そう心に決めていた。
けれど、私に弟が出来ることはなくて、
大好きだった母は、
病院の暗い部屋で白い布を顔に被せられていた。
幼かった私は漢字を読めなくて、
なんとかいてある部屋かわからなかったけれど
そこに笑顔を向けてくれる母は居ない
と言うことだけは理解できた。
弟も、母も両方なくして、私に残ったのは
泣き崩れる父だけだった。
父はそれでも私を大切に育ててくれた。
どこか悲しい目をしていたけれど、
私を心配させまいと努力していた
父の背中が大好きだった。
でも、やはり、母の死に耐えられなかったのか
父は病を患い、仕事を辞めてしまった。
その時私の齢は、8歳。
幼すぎた私は、父に迷惑をかけたくなくて
無理をしてほしくなかったから、
国からの補助金で生活を賄って、家事も自分でやったし
父の世話もした。
そのせいか、私はいつの間にか
子供らしいことを出来なくなっていた。
私だって甘えたかった。
弟も欲しかった。母を失いたくなかった。
4人家族で、沢山笑いたかった。
そんなとき、とある子たちと出会った。
4人の男の子、まるで弟みたいで可愛くて
姉ちゃんと呼んで慕ってくれた。
中学校も高校も一緒だった。
高校からはバイトもして、
生活費と学費を頑張って稼いだ。
父が変わり始めたのは中学生のころからで、
いつの間にか父は私に暴行を与えるようになった。
けれど、それは病気の影響で、我に返ると
いつも沢山謝って抱きしめてくれた。
私がしっかりしなきゃ、
そう思ってよりいっそう頑張った。
私の右腕には、一生傷、痣、内出血の痕。
いつも右腕で父の拳や物を防いでいたから。
腕を隠すことが大変だった。
そうして私が大学に上がる頃、
私はひとりぼっちになった。
父の病気が悪化して、
最後の家族を亡くした。
絶望とはこの事を指すのだろうな
と、つくづく思った。
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空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです！更新されることを待っています！頑張ってください！ (2020年9月24日 7時) (
レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね！更新楽しみにしてます！ (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年8月13日 3時
