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「じゃ、改めて手前の教育係の中原中也だ。」


橙色の男にしては長めの髪の毛を覆う黒い帽子
その帽子の奥から見える青い瞳

灰色のチョッキと黒い外套がはためいて
窓からさしこむ月の光に怪しく照らし出されていた。


同い年とは思えないほどに黒い世界が似合う男だ。

「よ、よろしくお願いします。中原さん。」

「あー、なんか中原さんって違和感しかねェわ
中也でいい。どうせ手前も18歳だろ?」

「中也…さん……?」


俺がそう警戒しながら呟くと、
それでいい、とぶっきらぼうに言い放った。


教育、と言うのは、
中也さんはポートマフィア幹部の中でも
きっての体術使いだそうで、

ボクシングをたしなむ程度にやっていた俺でも
歯が立たない程強かった。

それから異能力の使いこなし方、
これは結構器用な方だからすぐに慣れた。
何せ大好きなやまだぬきちゃんとだから。

「まだまだ詰が甘い!!」

「ッ、はい!!」

と言っても中也さんの異能力の前には
塵と化すのだが。

それに体の動かし方も上手い。
坂田ぐらい、いやそれ以上に。

「カハっ……ぐっ…」

「オイオイ、その程度か?
頭領から任務を与えられる日は一生来ねェぜ?」

「もぅ、…一回、お願いしますっ…!!」


と言っても中也さんが稽古をつけてくれる日はそう無い。
なんせ任務大量だから、多忙なのだ。

だから大体自主練。

でも、中也さんに稽古をつけてもらった日は
決まって骨が何本か折れるものだから、
皆にたいぶ心配される。


そう言えば皆はちゃんと稽古してるだろうか。


−その日の夜−


「はぁー食った食った!」

「いや、坂田お前食い過ぎやろ。」

「腹が減ってはなんとやら!
男は食って成長するんだぜ。

心も体もな(イケヴォ」

「何を食うんだろーな(ボソ」


そうやって各々、ベッドに寝転ぶ。


頭領はだいぶ太っ腹だ。
なんせ俺達みたいな新入りに
こんな広い部屋を用意するのだから。

俺はすることがないので
中也さんに貰った手帳に日記をつけることにしている。

今日は肋3本と左腕を中也さんに持っていかれた。
ので今はキブスをつけて固定している。

「うらさんとこも容赦ないなぁ。」

「も、ってことは坂田もキチガイなん?」

キチガイて、おま、言い方。

「もはやアレは病んでるよね〜ヤダヤダ。まふまふ並。

どうもっまふまふですっ(声真似」



なんて下らない会話をして就寝した。

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空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです!更新されることを待っています!頑張ってください! (2020年9月24日 7時) (レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね!更新楽しみにしてます! (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年8月13日 3時

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