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ズザァッ


そんな砂の音が耳に入るのとほぼ同時に
視界に入ってきたもの

それは


「っ!だ、大丈夫ですかっ!?」


黒スーツに黒ネクタイ、黒いサングラスを着用した
暗闇にいれば気づかないような格好をした男の人だった。

お腹には刺し傷があり、出血多量だ。

先程ので頭も打っているだろう。
痛そうにお腹を押さえている。

銃で撃たれたような跡も幾つか確認できる。

「うッ…ぐ、…」

「喋っちゃ駄目です!今手当てをっ」


男の人に手をかけようと手を伸ばしたら

カチャ

よく刑事ドラマなんかで耳にする、
拳銃を揺らした音が頭上で聞こえて、
頭には何か堅いものが当たっている感覚があった。


「悪いけど、死んでもらうよ。」


鳥肌が全身を被う。男の人の声。
そして声の主であろう人が、拳銃の引き金を引く。

私は思わず目を固く閉じる。


パァンッ


そう聞こえた。
銃声と火薬の臭いが辺りに散る。

けれど、いつまで経っても、
来るはずの痛みは来なかった。

不思議に思ってゆっくり目を開けると、
目の前に倒れていた男の人の頭に、
先程はなかった銃で撃たれた跡があった。

「あー、残念。
お嬢さんが助けようとしてたその人は死んじゃったね。」

「な、にを……」


ゆっくりと上を見ると、
ぼさぼさの蓬髪の男が、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべて、片手に拳銃を握って立っていた。

同じように黒いスーツ、だけどサングラスは無くて
代わりに右目を包帯で覆って、左頬にはガーゼ。
怪我でもしているのだろうか。

羽織られた黒い外套が
夜の涼風にフワリと揺れた。


「なんで、
…まだ、生きていたのに……!!」


「使えない部下はそういう末路を辿るんだ。
お嬢さんも覚えておくといい。

来世、役に立つだろう?」


更にニヤリと口角を吊り上げた男は
包帯の巻かれた手に握られた拳銃の銃口を
私の額に当てた。

マズイ、私は震える体を無理矢理後ろに飛び退かせる。


「使えないって…何ですかそれっ!!」

「そのままの意味さ。
ヘマをした部下には罰を与えるのが普通だろう?」

意味がわからない。狂ってる。
気持ち悪い視線が私に降りかかる。


「なんで、
そんなに簡単に人を殺せるのよ…!」

「そういうものだからさ。
死ぬべき人間は、」

「ふざけないでっ!!」

私は勢いに任せて男の右頬を叩いていた。

酷く憤りに見回れていたので強くひっぱたいた。
男の頬は少し赤くなっていた。
同様に私の左手のひらも痛かった。

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空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです!更新されることを待っています!頑張ってください! (2020年9月24日 7時) (レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね!更新楽しみにしてます! (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年8月13日 3時

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