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「夏油先生ー!!」
「ん?虎杖くんどうしたんだい。そんなに慌てて」
次の授業は体術なので、校庭で準備運動をしていたら生徒の虎杖くんが全速力で走ってやってきて、目を輝かせている。元気で可愛げがあるなと思っていたら、後ろから鬼の形相で走ってくる野薔薇ちゃんがいる。
「虎杖っ!待ちなさいよ!レディを置いていくなんて!」
「あっ、釘崎。悪い」
「……で、二人とも息を切らして、私に何か用事かな?授業にはまだ少し早い時間だけど」
「五条先生に彼女いた!」
「え?」
本当に仲がいいなと、屈伸しながら笑って二人を見ていると思いもよらない発言で思わず止まってしまう。悟に彼女?あの悟が?親友の私でさえ聞いたことないのに…?
「あれ、夏油先生知らないんだ。アイツと仲良いのに」
「それは初耳かな。どんな女性だったんだい?」
「美人!スタイルも良かった!あと、何かを五条先生に渡してた」
「あれは仲良いって感じだったわ。なんか別れる間際に寂しくなる…って言ってたんだけど、アイツ隅に置けないわね」
二人の話を聞く限り、大分仲睦まじい様子だったけど悟の交友関係で現在フリーの美人で仲の良い女性なんて聞いたことないけれど。あとでさり気なく悟に探りを入れてみるとしよう。
「面白い話ありがとう。ほら二人とも早く着替えておいで」
「うす!」
「はーい」
二人は楽しそうに会話しながら小走りで教室に向かって、去っていった。入れ替わりで、着替えた伏黒くんがやって来て、準備運動を始めるので、先程の二人の会話をしてみる。
「伏黒くん。虎杖くんと野薔薇ちゃんが悟の彼女を見たって言ってるんだけど、どう思う?」
「え?……あの人に?確かに、金持ちで容姿も整ってるから居てもおかしくは無いですね。…虎杖と釘崎のことなんで、何か勘違いしてる気もしますけど」
「冷静だね。居たら面白いんだけどな」
伏黒くんは小さい頃から本当に大人びていて冷静だ。まあ、いる可能性の方が面白いから私はそっちに賭けようか。なんて考えながら、準備運動を済ませたら着替えた二人が戻ってきた。先に運動を済ませた伏黒くんと、先に手合わせを始めようと思った時に噂の張本人がやって来た。
「傑、届け物があったから机の上置いてるよー。お、やってるね〜恵。じゃあ僕、次の任務あるから何かあったら連絡してね」
「悟。……届け物?何だろう。…あ、もう行ってしまったな」
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作者名:蓮実 | 作成日時:2023年10月16日 0時