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「そういえば、昨日生徒に私が妻帯者であることを話したら物凄く驚かれたよ」
『そうなんだ。傑、言ってなかったの?』



私の可愛い妻であるAを膝の上に乗せて、薄い腰に手を回して抱き枕のように抱き締めて昨日の起こった出来事を話した。妻は私の膝の上で大人しく話を聞いている。のんびりとした時間が心地いい。ああ、このまま一緒に家に居れたらいいのに。



「いや、言ってるつもりだったんだけどさ。伏黒くんしか知らなかったみたいで」
『そうなんだ。傑は五条と同じで伏黒くんと付き合い長いもんね。……あ、指輪していないからじゃないのかな?』
「そうなんだよ。『指輪してないじゃん!』って言われたよ。任務で以前壊した時から新調してないなって。Aの指輪が失くしたり、壊れたら直ぐに買うけど、私のは後回しになっててね」



指輪の話になり、Aの細くて長い綺麗な指を手に取って、私の指と絡ませたり、手を優しく揉んでみる。妻の薬指から指輪が無くなったら変な虫が寄ってきたりするだろうから直ぐに買いに行くが、自分のことはどうも後回しになってしまっている。



『忙しいかなと思って言ってなかったけど、私は早く指輪買って欲しいと思ってたよ。…傑、結構人気だから、心配で』
「!……ちょっと、A。……それは流石に可愛すぎるでしょ。今日新調して帰ってくるから、安心してね」



流石にそれは可愛すぎるでしょ。妻の可愛さを噛み締めながら更に抱き締める力を強くした。Aは私のことをよく見てて、気遣ってくれるし愛情表現もくれる。その優しさに救われている。今の私が居るのも全て彼女のお陰だ。



『ありがとう。…あ、傑。そろそろ用意しないと学校間に合わなくなるよ』
「もうそんな時間か。遅刻するのはまずいから、支度しようかな」
『じゃあ私も着替えてくるよ』



名残り惜しいなと思いながら彼女を解放して、自室へ向かい動きやすいパンツとシャツを着て、洗面所に向かい髪型を整えたり、顔を洗った。着替えて戻ると、Aはいつもの黒いパンツに黒い袖開きのシャツを身につけていて、エプロンを付けて手際良く朝食の支度をしていた。
彼女曰く、その格好が一番動きやすいとのこと。


エプロン姿も可愛いなと思って、ぼうっと見つめていると視線に気づいた彼女は私を見るとにっこりと笑った。
そういうの本当に狡いよ。A。

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作者名:蓮実 | 作成日時:2023年10月16日 0時

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