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『傑、ごめんなさい。助けに来てくれてありがとう』
傑がややそっぽを向いてしまっているので、真剣に謝った。すると、傑はちらり私を盗み見て、ふっと気の抜けたように笑ってから、嬉しそうに私の腰をぐいっと引き寄せられる。
彼に両頬を包み込まれると、顔を持ち上げられて愛おしそうな眼差しで見つめられて、額に口付けを落とされる。
「ふふ、ごめん。Aが可愛くて、ついね。……怒ってないよ、大丈夫。私の為にしてくれたことだろう?……でも、今度は私にちゃんと相談すること、いい?」
『…してやられた。…うん、分かった。ありがとう』
「あ、そうだ。指輪買ってきたんだよ。私のも買うならAのも新調しようと思ってね」
彼は私を軽々と持ち上げると一度ソファに座らせて、自室に戻るとブランド名が書いてあるオシャレな小さな小箱を持って来た。また私の隣に座り小箱を開けると、綺麗なプラチナの指輪が2つ入っていた。
「A、愛しているよ。この先もずっと私と共にずっと生きよう」
『…私も愛しているよ。勿論。この先もずっと一緒だよ』
彼が真剣な眼差しでそう言い、元々付けていた指輪を外して今回新調した指輪を嵌めてくれる。当たり前だが、指のサイズにぴったりだ。いつの間にサイズを知っていたんだろう、忘れず覚えててくれていたのか…。
今度は私が指輪を手に取り、彼の大きな左手の薬指にそっと優しく嵌めると、嬉しくて思わず頬が緩んでしまう。顔を上げて、彼を見つめると彼の口が大きく開いていて、あ、食べられる。なんて思った時には遅く、大きな手に両頬包まれて、上を向かされて、最初は優しく啄むような口付けがふってくる。
『ん……すぐ…』
彼の名前を呼んで思わず口を開けてしまうと、待ってましたと言わんばかりに彼の舌が私の口内に侵入してきて、息もままならない程に、絡め取られる。本当に食べられてしまいそうだ。
彼の片手が私の頬から服をなぞり、器用に服を捲り手を這わせて肌を優しく撫で始めた。そして、私を優しくソファに押し倒すとやっと解放された。なんて思えば、彼はシャツを男らしく脱いだ。
『ちょっ、す、傑……!?明日仕事でしょ、流石に早く寝なきゃ……!』
「Aのも、私のも休みをもぎ取ってきたから。…今からノーは言わせないよ。いいね?」
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作者名:蓮実 | 作成日時:2023年10月16日 0時