私のヒーローアカデミア(9) (ページ10)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:3,661 hit

金曜日　作戦会議、実行　男子生徒目線　by切島ページ10

夜。俺らー俺と上鳴と虫呼ーは、1階の談話スペースにおりていた。俺と上鳴は入り口に面したソファーに座り、虫呼は対面のソファーで読書をしている。俺らが固まってここにいる理由は、日中の作戦会議で出した意見を実行するためだ。
まず、俺が飯田に話しかける。
次に、飯田の明日午後の予定を聞く。
最後に、虫呼にパス回す。
…といっても、そこまで現実的な作戦でもない。そもそも今日、飯田が談話スペースに現れなかったら。飯田の明日午後の予定が埋まっていたら。虫呼が上手く誘えなかったら。
まぁそんな風に、1人密かに不安だった俺は考えていた訳だ。その時。
「切島くん!」
「?!っ、飯田、なんだ？」
「今日、中間テストだっただろう？解けたか？」
そういえば、この前の勉強会でやった単元だったな。
「おー、俺空欄少ししかねぇよ!勉強会がなかったらこうはいかなかった。ありがとな!」
「俺も俺も!20点は取れる!」
「…それはいいのか…？…まぁ、少しでも君達の学力に貢献できたならよかった。夜更かしはするなよ!じゃ…。」
待て、待ってくれ。
「虫呼は?!」
「「…え？」」
飯田と虫呼の声が揃った。これは、言い間違いではない。虫呼も勉強会にテストに、頑張ったのにノーコメントですか委員長。
「あー、飯田、明日の午後って…。」
上鳴、進行下手すぎだ。
「虫呼くんは、もともと優秀なのでな。平気かと思ったんだが…不安か？」
それ、俺らに失礼なんですけど…。
まぁ、それはいいとして。顔覗き込んで「不安か？」とかやめてやれ。虫呼、発火するぞ。
A「平気…平気、です。あの…!!」
声裏返ってる。珍しい。
A「明日の午後、予定空いてます…?!」
…なんだ、俺がいなくても。
「トレーニングでもしようと思っているが…？」
飯田、責めるようにジリジリ近付くのやめてあげて。
A「明日、友達の学校、の文化さぃで…ぁ…の…。」
「？」
「明日、友達の学校の文化祭らしいぜ。」
せめて、こういうことだけでも。
「あぁ、そうなのか。それで、どうしたんだ？」
A「…一緒、に、どうでしょう?!」
流石。
「…あぁいいぞ!場所はここからどれくらいなんだ？」
A「…!ええと…。」
上手くいったみたいだ。
「上鳴、戻るぞ!」
「んー。あのさ、切島。」
「？」
邪魔者は退散するか、と立ち上がったところで上鳴が口を開いた。
「切島さぁ、なんでそんなAちゃんにこだわんの？」
「…」
確かに、なんでだろう。
尊敬。憧れ。共感。
あと、何か。