私のヒーローアカデミア(9) (ページ8)

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金曜日　作戦会議　私目線ページ8

「うぉーし、じゃ、第1回Aちゃんと飯田くっつける作戦会議始めます!!」
「よろしくお願いします!」
A「よ、よろしくお願いします…？」
こんな作戦会議が行われるまでには、こんな経路がある。

耳郎さんが倒れた次の日。すなわち今日。
「Aちゃん!!」
A「あ、上鳴くん…。」
「俺ら、あの後どうなったと思う？」
A「え？………。」
「何々、なんで告白失敗した感じになってるの?!…俺ら、あの後…。」
「上鳴、言いふらさないで、マジで。」
A「？おはようございます、耳郎さん。」
「あ、ハイ…。えーっとでも、Aちゃんには…？」
「…別に、極少数なら。」
「よっしゃ!でね、俺ら…付き合うことになりました～!!」
A「わぁ、すごい…!!おめでとうございます!!」
「ありがと!!そんで俺、思うんだ。」
A「え？」
「次は俺の番!Aちゃんの恋を叶えないとってさ!」
A「?!」

こういうことである。そして、私と、私の気持ちを知る上鳴くんと切島くんの3人で委員長の気を引くための作戦会議を行うことになった。
「突然だけどAちゃん、明日の予定は？」
A「…あ…!」
明日は、先生達の都合で授業が半日で終わる。これを理由に、出掛ける生徒も少なくないようだ。
それは私も。
A「他校の文化祭に行きます!」
そう。発後さんの学校の文化祭。せっかく誘ってもらったんだ、行かないはずない。
「飯田誘えば？」
切島くんの提案。
A「いや、委員長にも用事は…。」
「飯田、明日の午後は自主トレするとか。」
「いーじゃんいーじゃん、誘っちゃえ!」
自主トレだって、れっきとした用事ではないか。
A「でも…、………。」
私が口をつぐんでしまった理由に気付いた上鳴くんが、とっさにフォローしてくれる。
「平気だって!飯田はそんなこと気にする奴じゃない。知ってるっしょ？」
A「っ、はい!」
「じゃ、今夜3人で談話スペースにおりようぜ。そこで俺が、上手くパス回す。」
切島くんが、作戦を語り始める。
「それで、最終的には虫呼が誘う。…その方がいいだろ？」
それは、自分の言葉で誘った方がいいだろってことなんだろうけど。
…気まずい。
だって私…。
「はは、心配すんなって。虫呼は勇気あるだろ？言えるって!」
そして彼は、いつも通りの笑顔を見せた。
安心した。私、いつの間にか１－Aの笑顔が安定剤になってたんだ。
委員長の笑顔は、安心するけど安定はしないから不思議なものだ。