私のヒーローアカデミア(9) (ページ7)

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木曜日　図書室、その後　男子生徒目線　by上鳴ページ7

よし、行ける。言える。Aちゃんから超可愛いエールももらったし。
俺は、前向きな言葉だけ考えて保健室に向かう。ちゃんと告う。
そもそもなぜ今告白しようとしたかというと。深い意味はない。でも、ずっと前から思っていたことなんだ。
「失礼します、耳郎の様子見に来ました。」
「彼女なら、奥のベッドで寝てるよ。」
「ありがとうございます。」
だんだんと心臓の動きが速くなる。
「…耳郎。」
「あ、上鳴。わざわざ来たの？ありがと。」
「俺が…さっき、なんて言おうとしたかわかる？」
「はぁ？どうせ宿題見せてとか…」
「っ、違ぇよ!!」
情けない。俺は今、その程度の男だと思われてるんだ。
いや、そもそも。
「耳郎…俺の、こと…男と思ってる…？」
上半身だけ起き上がっていた耳郎を寝かせる。すなわち押し倒す。
「何っ…!!退いて…。」
耳郎は驚き戸惑っている。

『言えばそのままダイレクトに伝わんだよ。』

爆豪の言葉。普段無視ばっかのおまえが…才能マンのおまえが言うんだから、間違いないんだろ？

「耳郎、俺…」
「好き。」

「…はぁ?!っマジかよ、なんでわかったんだよ、そして言っちゃうんだよ?!」
「…わかった訳じゃないよ。まぁ、わかりやすかったけど。」
耳郎は目線を逸らして汗をかいている。
「ウチも。」
「はあぁ、嘘だろ?!ドッキリか何かだろ?!」
「…」
耳郎の反応からして、とても嘘とは思えない。でも、信じられる訳でもなくて。
「黙ってよ、保健室だよココ。…まー、アホの上鳴に先言われるのは悔しかったからね。」
「…くそー。」
「!!」
再び起き上がった耳郎を抱き締めた。
「あーもう上鳴、暑いって。」
「やだね、もう心配させんじゃねーぞ。」
「はいはい、わかった。強いヒーローになるから。知ってるっしょ。」
「あ、でもそんなに強くなられると俺が霞む…。」
この他愛ない会話が好きなんだよな、なんて。やっぱり今は耳郎の方が格好よくていいや。時間かけて俺の方が格好よくなって見せる。
あ、そうだ、Aちゃんに報告しなきゃ。俺が告白(？)成功直後に考えたのは、そんな呑気なことだった。