私のヒーローアカデミア(9) (ページ18)

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土曜日　文化祭　私目線(5) ページ18

そう、私は心霊が大の苦手だ。
悲鳴は、更に苦手だ。恐らく、幼稚園での事件で多くの悲鳴を聞いたからだろう。
「キャァッ」
数分前入った女性の悲鳴。嫌だ。
「どうした虫呼くん。震えているぞ…？」
委員長の手が、私の肩に触れた。暖かい。
「大丈夫か？」
A「…はい…頑張ります…。」
ここで頑張ってどうするのだろう、と思いながらも列に並んだ。
「あれ、なんでだろ？」
「さっさとしろモ」
委員長が爆豪くんの口を塞ぎ、様子を伺う。
「…!!人が倒れているようだ…俺はどうしたら…っ」
次に入ろうとした人が、直前に倒れたらしい。
A「…私、ちょっと行って来ますね。」
「何言ってんだよ?!」
実は、保健室を手伝っていた時に応急処置を教えてもらったのだ。
思わぬところで役に立てる…
A「っ?!」
自らの勢いを後悔した。踏み出した足は変に曲がり、私の体は前のめりになりつつあった。
「っ、虫呼く」
「馬鹿が!!」
後ろから私の手を掴んだのは、意外にも爆豪くんだった。
A「あ、ありがとう!」
私はそのまま、列の前の方に駆け出した。

「あなた、ありがとう。お客様なのに、素晴らしいです。」
A「いえ、全然…。もう戻っていいですか？」
「本当にありがとうございました。」
この学校の先生方から称賛を浴び、私は肝試しの列に戻る。倒れた人は担架で保健室に運ばれ、今は安静に眠っている。
「虫呼くん。」
A「委員長!わざわざここまで…。」
「あぁ。倒れた方は大丈夫か？2人が肝試しの列に並んでくれている。急いで戻ろう。」
A「倒れた人は大丈夫そうです。急ぎましょう!」
爆豪くん、怒ってるかな。言葉さんが、からかってなければいいけど…。

「大丈夫だったー？というか、爆豪くん面白いね!」
「テメェ…潰されてぇんかおいぃ…。」
爆豪くん、怖いです。でも、なんだかんだ言ってトラブルは起きていなそう。
「肝試しの順番次だよ!あとこれ、4人組は2人1組になるんだって。」
「では、決めなくてはいけないな!何で決めるか、意見のある方は挙手を!」
委員長、早くしてください。
「はいはーい、グーとパーで分かれよ!」
よくわからないけど、早く決められそうだ。

A「い、いいいんちょう。怖いぃ、ですね…？」
「どうした？日本語覚えたての外国人のようになっているが…。」
「あはははははっ、やっばぁ!うわ、やっばぁ!!」
「うっせえんだよ爆笑女!!」
科学部室内からは、カオスな会話が聞こえる。