私のヒーローアカデミア(9) (ページ1)

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水曜日　放課後　私目線ページ1

虫呼 A、今………好きな人の部屋にいます。
「よろしくお願いしまーす、飯田先生!!」
「今日はいい勉強会にしよう!!」
「真面目か。」
今日は、委員長の部屋での勉強会に参加している。私の気持ちを知った切島くんが、気を遣って誘ってくれたのだ。
「じゃあまず、各自本日の宿題をしよう!わからなければ、遠慮なく聞いてくれ!」
「はーい!」
切島くんが、口パクで「上手くやれよ。」と言うのが見えた。

そうやって、元気に始まった勉強会。開始からもうすぐ1時間になるだろうか。
「もーわかんねー…ウェ…。」
「諦めんな!気合いで頑張るぞ!!」
「…わからない。」
「うむ、ここはだな…。」
「悪り、ここ少し教えてもらえねーか？」
「あ、ここはね…。」
親指を立てて奇声を発する上鳴くんと、それを正念場かのように励ます切島くん。全然麗らかじゃない麗日さん。あと少し、というところで答えにたどり着けない瀬呂くん。それらの対処に追われる委員長と緑谷くん。
A「あ、あの、私も何か…。」
「いいんだ、虫呼くん。君は自分の勉強に集中してくれ!」
流石。片手間に、でも笑顔で答える委員長が、とても頼もしく見えた。

「ありがとー、飯田くん!」
「ありがとな、すげーわかりやすかった!!」
「それはよかった。また、いつでも来てくれ!」
そんなことを言うわりには、多少ぐったりしているように見えた。宿題とテスト対策だけで3時間かかった勉強会は、参加者全員がすっきりとした顔で幕を閉じた。
「虫呼くんは…戻らないのか？」
A「あの…掃除、手伝いますよ？」
綺麗だった委員長の部屋は、この3時間でひどく汚れてしまった。皆が食べていたお菓子や、計算用紙がそこらに散らかっているのだ。皆勉強会を通して、だいぶ気力を失ってたみたいだから、本当に気付かず戻ってしまったのだろう。
「…そうだな。ありがとう、頼むことにしよう!」
A「わかりました!じゃあひとまず、ゴミ拾いますね。」
2人で無言でゴミを拾い始める。
…ん、これ…。

よくよく考えたら2人きりだ…!!

…いや、駄目駄目。今は掃除に集中。
「…虫呼くん。」
A「は、い？」
少しイントネーションがおかしくなった。
「君は、色々な男性に好かれるのだな…。」
何なんですか…委員長が、急にこんなこと言い始めるなんて。
A「…急ですね。」
「悪い、そうだな…!!悪い!」
いつもより戸惑ってるし…？
「じゃあ次は、家具を整頓するとするか。引き続き手伝い願う。」
…そんなことも無いか。いつも通りだ。