裏側＿「隠し事」:another ページ37
「＿＿って感じだったよ、バシ君」
有吉の壁、ブレイク芸人選手権の前室で、下野との会話内容を拓実がこぼした。大した話じゃなく、所謂ただの雑談の一部だった。とはいえ、バシはハイキング客の格好を、拓実と俺はカメラマンの格好をしているので周りから見たらカオスを極めているに違いない。
拓実がこぼしたのは、下野はバシとのどうでもいい話を面白がっていること、拓実が「バシ君はね……」と言いかけたら下野が気にかけたこと、等々。
俺は拓実と下野が喋っているところは見ていなかったが、聞いたところ、下野はバシを友達として信頼しているらしい。
が、バシは違うのだ。この間のインタビューをきっかけに、ようやく下野への恋愛感情を自覚したらしい。
意外だった。バシは恋愛下手だから、もともと下野に恋愛感情があったものを無理矢理隠しているのだと思っていた。きっとバシの気持ちには、傍にいた拓実や俺の方が先に気づいていた。
「わざわざそんな、って『バシ君はね……』で何言おうとしたの？」
「バシは大人っぽい話しないからねって」
「褒めてる？」
バシは、俺達や永下の二人を前にしてよく笑う。否、ネタ中のキャラが物静かなだけで、プライベートでは大概人並みに笑うのだが特に、という話だ。
バシの笑いが収まって、不意に会話が途切れた。それならそろそろ、俺がツッコみたかったところにもツッコませてもらおう。
「いや、てかさぁバシ。下野に友達と思われたままでいいの？」
「いいの？って、さ」
バシは半笑いで、しかし次第に項垂れていった。
多分、バシは中学以来、本当に恋愛をしていない。少なくとも俺らは認知していない。
つまり、今のバシは恋愛の仕方がわからないのだろう。国宝級イケメンランキング芸人部門、第三位。異議はあったにせよ、四千頭身としての快挙に大きく貢献したバシがグループ内イチの恋愛音痴とは、なんだかファンを"ギャップ萌え"で落とそうとしているようにすら見える。
「元気出しなよ、俺らの顔担当」
「それ喜んでいいのかな」
とは言え、バシは芸人のアイドル化には賛成していないから、恋愛音痴は狙ってやっているわけではないはずだ。
そんなバシだからこそ、俺らも応援したくなるのだが。
「喜んでいいんだよ。つかバシ、このあと下野と飯でしょ？」
「あぁ、まぁ」
この間、例のインタビューの前室で二人がしていた約束。多分、バシが気持ちに気づいてから初めての約束だ。
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キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 感想ありがとうございます！御期待に添えられたなら何よりで御座います……。今後とも、御時間があるときにでも宜しくお願いします！ (2021年4月21日 23時) (
レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - みれました！とっても面白かったですすっごくいいお話でした〜！ありがとうございます！これからも応援してます (2021年4月21日 17時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 遅くなってすみません、続編にてリクエストを公開させていただきました。anotherと書かれているお話までがセットですので、是非合わせて御覧下さい！また、不備が御座いましたらお申し付け下さい……！リクエストありがとうございました。 (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - 練習帳2！楽しみにしてます^_^ (2021年4月7日 19時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです。リクエストもありがとうございます！そちらは続編の「練習帳2」にて近日公開致します。少々お待ちいただけると有難いです…！ (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年1月8日 18時
