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「うん、どうでもいいことが面白いんだって」
ともかく、私達は信頼できる友達同士だ。多分、これからも変わらない。
それをあまりにも悲観的には捉えていない。捉えないようにしているのだ。バシと私の気が合うことに、変わりはないのだから。
「そっか。まぁバシ君はね……」
後藤が何かを言おうとしたそのとき、エレベーターが一階に着いた。エレベーターから降りてドアが閉まっても、後藤は何事もなかったかのように鼻をすすっていた。
「まぁバシ君はね……」＿＿なんなのだろう。やっぱり気になってしまう。それがバシのことだから、とは考えたくない。
「後藤、バシがなんだって？」
「あぁ、えっと……なんだっけ。ごめん忘れたわ」
後藤は平然としていた。冷静沈着な脱力系男子。後藤に対する世間のイメージは、プライベートにおいてもあまり間違っていない。いつもほとんど同じテンションなのだ。
だから、しれっと嘘を吐かれていてもなかなか気づけない。証言の真偽の区別がつかない、後藤はごく身近にありながら不思議な存在でもある。とは言え、これでも私達は割と後藤の本性の近くにいるのだろうが。
「マジで？それはお爺さん」
「二十三ですが。でも忘れたのはマジだよ」
そんな冗談を言いながら、後藤とはそのまま別れた。バシがなんなのか、忘れてしまったなら詮索しても仕方ない。後藤が正直者だったら、の話ではあるが。
友達のことはあまり疑わない、というのが私のコミュニケーションにおいてのスタンスなのだ。それだけは一人のスポーツマンとして貫きたい。
それに、一度バシのことについて考えたらきっと悩んでしまう。思考を途切らせ、タクシーを止めた。
数日後＿＿ブレイク芸人選手権の収録終わり。
今日の四千頭身の"カメラマン・カメラマンズ"という謎めいたキャラは、いつかのように「保留で」とされていた。そこが面白かったのだが、本人らは悩ましいらしい。
かくいう私達は「顔が腹立つ」という理由でバツを喰らった。五十歩百歩だ。
「よし、じゃあ行くかぁ」
が、しょげてはいられない。今日はバシとの約束の日だ。私服に着替えてから一階のロビーで合流して、二人で局を出た。
「さ、どこ行く？」
「どこでもいいよ。あー、寒いから鍋とか？」
二人同じトーンで喋りながら、ポケットに手を入れて歩く。私達を追っている記者がいるかはわからないが、いたとしてもきっぱり「友達です」と言えるから変装はしていない。
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キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 感想ありがとうございます！御期待に添えられたなら何よりで御座います……。今後とも、御時間があるときにでも宜しくお願いします！ (2021年4月21日 23時) (
レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - みれました！とっても面白かったですすっごくいいお話でした〜！ありがとうございます！これからも応援してます (2021年4月21日 17時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 遅くなってすみません、続編にてリクエストを公開させていただきました。anotherと書かれているお話までがセットですので、是非合わせて御覧下さい！また、不備が御座いましたらお申し付け下さい……！リクエストありがとうございました。 (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - 練習帳2！楽しみにしてます^_^ (2021年4月7日 19時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです。リクエストもありがとうございます！そちらは続編の「練習帳2」にて近日公開致します。少々お待ちいただけると有難いです…！ (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年1月8日 18時
